IT導入完全ガイド
CRMトップベンダー3社に聞く、2016年の展望(1/3 ページ)
統合的なCRMソリューションを提供しているトップベンダー3社に、現在のCRMトレンドや自社の強み、これから向かうべきCRM戦略の方向性についてインタビューを実施した。
世界的に景気が減速する中、顧客の動向を的確に把握しビジネスに役立てたいと考える企業は多く、CRMを提供するベンダーの動きに注目している方も少なくないはずだ。そこで今回は、セールスのみならずサービスやマーケティングなど総合的にCRMソリューションを提供するベンダーに、現在のCRMトレンドや自社の強み、これから向かうべきCRM戦略の方向性について聞いた。なお、社名五十音順での紹介となることをご了承いただきたい。
セールスフォース・ドットコムに聞く、2016年CRM動向
最初に紹介するのは、クラウド型CRMソリューションを提供するセールフォース・ドットコムだ。営業支援を提供する「Sales Cloud」を中心に、カスタマーサービスを支援する「Service Cloud」、One to Oneでカスタマージャーニーを作り上げる「Marketing Cloud」など、中小から大企業に至る幅広い顧客にCRMソリューションを提供している。話を伺ったのは、マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの田崎 純一郎氏だ。
CRMの動向について
CRMについては、CRM領域の拡大や今の経済状況が影響している面もあり、企業で導入する業務アプリケーション分野の中で見れば伸びている傾向にあります。
FacebookやLINEなどソーシャルをはじめとした新たなコミュニケーションツールを企業が使い始めると、そこに新たな顧客接点としてCRMが介在します。世の中のテクノロジーの進化やデジタル化の流れの中で、CRM領域がどんどん広がっているのが成長の1つの要因だと考えています。
そしてもう1つの要因が、世界的な景気の減速感です。世界中の金融機関が緩和の方向に向かっており、需要と供給という視点で見ると、現状は供給が過剰な状態です。需要が堅調なタイミングであれば、SCMやERPなど供給側のシステムに投資すれば商品が売れていきますが、今は需要がさほど強くないのが世界的な流れといえます。
だからこそ、顧客は一体何を考えているのか、どんなものが欲しいのか、企業は需要を知る必要があるのです。結果として、顧客理解につながるCRMが市場の中で求められているということなのです。
CRMが連携を深めている領域について
最近では、マーケティングオートメーションなどのソリューションとの連携が増えています。われわれでいえばB to B向けの「Pardot」というサービスを展開しており、営業支援系のソリューションと連携させるケースが増えてきています。B to Cの領域で考えると、カスタマージャーニーを作って進めていくためには、お客さまとの接点が強いコンタクトセンターとの連携が必要になってきますので、マーケティングとサービスを連携させるケースが増えています。
最近の動きとしては、Service CloudとIoTの連携についても具体的な案件が出始めており、既に先進的なお客さまではIoT連携を進めています。例えばプリンタが壊れる前にIoTデバイスであるセンサーがアラートを発してサービスセンタに通知するといった使い方です。
現状はB to Bの大型デバイスにセンサーが組み込まれるケースが出てきていますが、もっと安価なセンサーが登場すればコンシューマの世界でもIoT連携が広がってくると考えらえます。
今後の展望について
現状はチャレンジの状況ですが、先日「Salesforce IQ」と呼ばれるソリューションを発表しました。ExchangeやGmail、Office 365など主要なメールサービスに対応しており、メール内の情報を分析することで誰とコンタクトをとるべきと示唆してくれる機能が備わっています。
われわれはRelationship Intelligenceと呼んでいますが、電子メールを見るだけでも顧客との重要なコミュニケーションの流れが分析できると考えています。今回は顧客とのコミュニケーション媒体としてメールをターゲットにしましたが、チャネルが増えればそれらの情報を分析し、誰とどういったタイミングで関係を持つべきなのか、Predictive(予言)的なCRMに将来的には進化していくと考えています。
これまでは、単に営業活動履歴を入力し上長が分析してPDCAを回すといった使い方だったものが、今後はシステム側から営業活動をこうするべき、このタイミングでアポイントを取るべき、そしてこの案件は捨てたほうがいい、といったガイドができるCRMに発展していくでしょう。優秀なマネージャーが活動履歴を分析するような手作業によるオートメーションはますます少なくなっていくと考えています。
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