5分で分かる最新キーワード解説
「ナノサイズ3Dプリンタ」でマイクロサイズの工場も実現できるか(1/3 ページ)
目に見えない特殊な光「エバネッセント光」で造形することで、マイクロサイズの工場構築も夢じゃない。驚きの造形技術に注目だ。
今回は、3Dプリンタと同じように樹脂を硬化させてナノサイズのモノを思い通りに作り上げる「ナノサイズ3Dプリンタ」こと「エバネッセント光造形」技術だ。マイクロマシンやナノマシンが世界中で研究され、リソグラフィや高分子の化学合成による製造法が発表される一方で、これは目には見えない「エバネッセント光」と呼ばれる特殊な光で造形する。半導体ウェハの微細欠陥の計測や、未来の「マイクロサイズの工場」構築にもつながる研究とは、一体どんなものなのか。
「ナノサイズ3Dプリンタ」(エバネッセント光造形)とは?
ナノサイズ3Dプリンタとは、エバネッセント光のエネルギーで樹脂を硬化し、50~100ナノメートル程度のオーダーで造形を行う装置だ。東京大学先端科学技術研究センターの高橋哲教授らのチームが十数年前から研究する。
基本的には、一般化してきた光造形3Dプリンタと同様に光で樹脂を固める仕組みだが、その光に伝搬光ではなくエバネッセント光を使うところが大きな違いだ。従来の光造形3Dプリンタでは、マイクロメートル以下の加工分解能を得ようとすると、一般的に硬化させるのは点、または線であり、それを連続して行うことで大きな造形物を作ることになる。
エバネッセント光造形技術では、ナノメートルオーダーの加工分解能を維持したまま、一括面露光が可能であり比較的大きな面積を一度に作りこめる。1層目を作ったら、さらに2層目、3層目と作り込むことで、複雑な形状を仕上げられるわけだ。
現在のところ、図1のように鮮明な模様を100ナノメートルの厚さ、つまり食品用ラップ(十数マイクロメートル)の100分の1以下で一括造形を実現した。厚みは広い範囲でコントロール可能で、50ナノメートル以下の薄膜の作成や約500ナノメートルの層の10層積層にも成功した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
2
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
9
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー