IT導入完全ガイド
導入すると運用はどうなる? EMM導入/運用の具体例(1/3 ページ)
「EMMレポートってこんな内容なのか」。EMMツールを実際に導入、運用する場合のイメージを事例も交えて紹介する。
EMMツールの導入と運用イメージ
EMMツールの導入プロセスは、製品情報の収集から始まり、自社の要件をまとめてフィット&ギャップを検討するという、IT製品導入に共通したスタート地点から始まるが、その後は無償トライアルが可能な場合がほとんどで、トライアルで良好な結果が得られたら、そのまま本番運用が可能になる。導入形態はオンプレミスでEMMサーバを構築する場合もあれば、クラウドでのサービスを利用する場合もある。
EMM導入をソリューションとしてSIerに依頼する場合のステップは図1のようなイメージになる。ツールベンダーから直接購入する場合でも、基本的には同様のステップになるだろう。ただし複数製品の情報提供やトライアル実施のサポート、本番移行時の追加設定やシステム拡張、運用設計、キッティング、その後のサポートや運用には、ツールベンダーは限定的にしか関与しないと考えた方が良い。
要件定義はStep1に含まれているが、そこでは利用する端末(iOS/Android/Windows)、主な業務内容(メール、予定表、社内Webのブラウジング、自社開発業務アプリ、ファイルサーバのアクセス、クラウドサービスの併用など)、周辺のサーバとの連携の要不要(AD、LDAP連携、Exchangeサーバ、Notesサーバなど)、導入規模などが主な検討事項になるだろう。導入規模はオンプレミス構築かクラウド利用かの判断の分かれ目になる。当然規模が大きいほどオンプレミス構築のほうがコストを軽減できる可能性は高い。
トライアルのスコープと目的を決めるのはもちろん自社だが、その際にSIerやツールベンダーからの提案を求めるのが合理的だ。類似の要件や業種・業態の事例を豊富に経験している業者なら、要件を満たすだけでなく、追加のソリューションやビジネス合理化のヒントが得られる可能性が高い。
次に検証評価(POC)をまずは机上で、次にトライアルで行うことになる。ここで情報収集段階に作成した○×式の機能リストの内実が分かる。機能はあっても、さまざまな条件から利用できないこともままある。この際に社内ネットワークへのセキュアな接続のための証明書管理方法や、VPN接続方式などについてはよく確認しておくと良い。
本番導入では、クラウドでのトライアル時におよその設定は完了しているため、そのままの状態で本番移行できる。オンプレミス構築の場合は、自社内で労力が割けないなら取引のあるSIerか、ツールベンダーの代理店の手で環境構築を行い、検証環境と同様な設定を行うことになる。
この際の端末のキッティングと配布もSIerが担当することが多いが、デバイスへのエージェントアプリやプロファイルの配信はかなり合理化できるようになっており、ユーザーが協力的であれば自社のみでも可能で、専門のアウトソーシング業者もある。特にiOS 9以降はDEP(Device Enrollment Program)によって、初期セットアップを省力化して、キッティングにかかる運用コストを飛躍的に低減できるケースも増えてきている。
VMwareが提供するEMM「AirWatch」の場合、最初にエージェントアプリのダウンロードが必要だが、EMMへのデバイス加入は、ユーザーによる次のような手順だけで済む。また、機能は一部制限されるがエージェントアプリを必要としない、ブラウザ経由での加入も可能である。
【導入事例】3カ月で8000台弱のスマートフォンを全国展開
ある医薬品卸売大手企業では、日本国内のグループ会社を含む従業員全員にiPhoneを配布、CLOMO MDMによる一括管理を実施している。事前に機能制限やセキュリティポリシーとして配布する「プロファイル」の設計要件やインストールするアプリケーションを明確化した上で、「グルーピング」「プロファイルの自動適用」「アプリのサイレントインストール」など、CLOMO独自の機能も駆使し、他の方法よりも大幅なコスト削減を実現した。
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注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
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