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本気のマイクロソフトが実践した“いいことずくめ”の業務改善(3/4 ページ)
日本マイクロソフトの働き方が大きく変わったカラクリ
このように、この10年間で田中氏の働き方は大きく変わったわけだが、そのために日本マイクロソフトは何を実践したのだろうか。大きく2つに分けられる。
テレワーク申請フローの見直しと制限の撤廃
まずは、従業員がテレワークを実施しやすい環境の整備から始めた。従来はテレワークを実施するためには、2週間前までに上長の承認を得る必要があった。また、テレワークは週に最長3日までという制限があり、勤務場所も自宅に限られていたが、これでは突発的なニーズにも対応できずテレワークが浸透しないと考え、2016年5月にこの制度を大きく見直すことにした(図4)。
2週間前までの事前承認が必要であった申請期間を前日までに変更し、自宅のみという制限も撤廃した。今では、国内であれば場所を問わずどこでも勤務可能になったため、実家など遠隔地で作業することも可能だ。こんなに自由な環境を与えれば、サボる従業員もいるのではという懸念もあるだろうが 、それに対して田中氏は「テレワークを導入する、しないにかかわらず、サボる社員はどこにいてもサボる。テレワークを実施するためには、経営者の腹のくくり方にある」という。
「量の改善」から「質の改善」へ
また、現在の働き方改革は作業ボリュームや作業時間など「量の改善」にばかり目が向きがちだが、一人一人のパフォーマンスを上げるため「質の改善」にも取り組んだ。
質の改善には業務の無駄を排除し、仕事当たりの効率を上げることが重要である。そこで社員の業務実態を分析するために「Microsoft MyAnalytics」を活用し働き方を可視化することから始めた。Microsoft MyAnalyticsを使うことで、会議やメールに費やす時間など従業員の時間の使い方を数値化できるため、「誰がいつどの会議に出席したか」「メールの送受信に費やした時間はどれくらいか」といった個人の活動を可視化できる(図5)。例えば、会議に参加している時間帯にメールの流通が発生している場合、その人は本当にその会議へ参加する必要があったのかということも検証できる。
また、会議にも多くの無駄がある。1回の会議を開催するたびに、会議準備や資料の作成などで多くの時間と人的リソースを要する。この会議に関わる時間を削減するために、1回の会議に長い時間を割くのではなく、何か協議すべきトピックが発生したら、すぐに関係者を招集し、その都度会議を開催する形式にした。マイクロソフトのBIツール「Power BI」を使いデータを一元化し経営情報をすぐに見られるようにすることで、紙ベースの資料や作成時間も削減できた。プロジェクトチーム内で話し合う議題があった時は、「Microsoft Teams」内で議論することで、メンバーが集まってミーティングを行うケースも少なくなった。
このようにして4カ月にわたり業務時間の削減に取り組んだ結果、4部門の合計で約3500時間の削減につながった。この業務時間の削減効果を従業員2000人規模の企業で換算すると年間7億円のコスト削減に相当するという(図6)。
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