プロセスマイニング入門~マニュアルのない業務の真実を「発見」する技術(1)
業務自動化の切り札「プロセスマイニング(Process Mining)」とは何か(2/4 ページ)
マニュアルのない業務の真実を「発見」する!
私たちの業務の流れは必ずしもきめ細かにマニュアル化されているわけではない。また、マニュアルがあったとしても、手順通りに現場が動いているとは限らない。
実際の業務を反映したイベントログから得られたフローチャート(=プロセスモデル)は、見えていなかったプロセスを「発見」するものであることから、「プロセス発見(Discovery)」と呼ばれる。
これ、必要? なぜここでスタックするの?
見えていなかった業務プロセスが可視化されると「この業務は何のためにやっているのか」と感じる無駄や、処理案件が滞留するボトルネックが見えてくる。プロセスマイニングは、業務プロセスに潜んでいた問題を浮かび上がらせることができるのである。
マニュアルにないのに存在するプロセスを明らかにする
業務マニュアルは作業標準化やコンプライアンス(法令順守)を目的として整備されることが多い。準拠すべきマニュアルがあっても実運用がその通りに実行されているとは限らない。
この問題を明らかにするために、プロセスマイニングではイベントデータから得られた現状プロセス(as is process)とマニュアルなどに記載されている標準(理想)プロセス(to be process)の比較分析を行う。この標準プロセスと現状プロセスの比較分析を行うことを「適合性検査(Conformance Checking)」と呼ぶ。
なお、分析の結果、標準プロセスと異なる業務プロセス(=「逸脱プロセス」あるいは「法令違反プロセス」)を発見した場合、基本的には「修正されるべきプロセス」として扱い、担当者への指導やトレーニング、継続的な監視を行うべきだろう。
バリエーションのある業務プロセス、何が最短、高効率か
さて、標準プロセスが存在していようがいまいが、多くの場合、現実の業務プロセスはワンパターンではなく、さまざまなバリエーションが存在する。結果として業務は進んでいるのだが、状況や担当者によって微妙に手順が異なる。
これらのバリエーションのリードタイムや効率性、すなわちパフォーマンスを比較すると、リードタイムが短かったり、効率性が高かったりするものが存在する。
この中で最も納期が短くなる、あるいは効率がよく、コストが低くなる業務プロセスは企業にとって歓迎すべきプロセス(=「ハッピープロセス」)だ。
プロセス強化
そこでプロセスマイニングで見つかった「ハッピープロセス」は、新たな理想モデルとして抽出し、BPMに組み込み、業務プロセスの刷新を図る。こうして、業務プロセスを継続的に改善していくのが「プロセス強化(Enhancement)」である。もちろん、業務プロセスの修正に併せて、既存のシステムの改修や設定変更も行われることになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
プロセスマイニング入門~マニュアルのない業務の真実を「発見」する技術
生産性向上の切り札、業務標準化。多くの企業が失敗を経験する理由は、業務の真実を発見できないことに帰結する。この課題を解決する手法として注目を集める「プロセスマイニング」について、基礎情報や先行事例、導入のヒントを紹介する。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ニンテンドーシステムズ開発者が明かす、通信「低遅延・安定運用」のコツ【事例集】
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
4
“壊してもいい”が現場を変えた 岩塚製菓、生産性1.3倍を生んだDX定着の条件
-
5
スウェーデン発、AI議事録Klangが日本上陸 無料で文字起こし無制限
-
6
製造業の73%が「生成AIに仕事を頼みたいのに頼めない」理由とは
-
7
Windowsを使い続けるのは正解か? 「Linux化」というモダナイズのもう一つの選択肢
-
8
「新しいOutlook」って使ってる? 移行で変わるメール誤送信対策
-
9
電子化した、ファイルサーバも捨てた なのになぜ、ファイルはどこにもない?
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー