働き方改革関連法への対応状況(2019年)/前編(2/2 ページ)
4社に1社が「対策済み」も……
それでは実際に働き方改革関連法への対策を実施する企業はどの程度あるのだろうか。聞いてみたところ「対策する予定」54.3%、「対策済み」25.8%、「対策する予定はない」19.9%と続く結果となった(図2)。
4社に1社が既に対策が進められている一方、半数の企業で対策予定にとどまり、対策予定なしについても5社に1社の割合で存在していた。
従業員規模別に見ると100人以下の中小規模帯の企業群では「対策予定」の割合が高く、101~1000人の中堅規模帯の企業群では「対策する予定はない」の割合が高かった。
ここからは推測になるが、勤務体系や人事評価などの人事制度や勤怠管理、人事労務管理に必要なインフラ整備などの面でこれまで十分に整備ができていなかったことが背景にあり、中小規模帯の企業の方が今後対策しなくてはならない項目が多い傾向にあるのかもしれない。
働き方改革関連法への対策で「RPAなど業務自動化ツール」の導入が進むか
働き方改革関連法の対策としてIT活用を進める企業はどのくらいあるのだろうか。
代表されるITツールのカテゴリーごとに導入あるいは導入する予定について聞いたところ、導入済みでは「勤怠管理ツール(ソフトウェア、アプリ)」63.8%、「タイムカードシステム」38.3%、「人事労務管理ツール」33.6%の順で割合が高く、導入検討割合では「RPAなどの業務自動化ツール」24.8%、「人事労務管理ツール」9.4%、「勤怠管理ツール(ソフトウェア、アプリ)」8.1%と続く結果となった(図3)。
働き方改革関連法の対策としてまず着手すべきは、いかに業務生産性を高め時間外労働時間を削減することができるかであろう。そのためにはまず従業員の正確な勤怠状況の把握が必要であり、勤怠管理ツールやタイムカードシステムなどの活用を挙げる声が多かったのも理解できる。
また人材の最適配置や育成、モチベーション向上につながる報酬管理や職場環境の改善などを見える化し、生産性向上を支援する人事労務管理ツールも役立つだろう。
ITツールをうまく活用して業務プロセスを見える化することによってボトルネックが特定できる。それをRPAなどでシステム化したり外注化することで改善するか、人材配置や育成、職場環境の改善などを通じて改善するかを検討・実施していくことで対策を進めていく企業が多いようだ。
だがRPAを銀の弾丸のように夢見がちに期待する向きにはやや懸念が残る。というのも、業務の無駄を自動化、効率化するものとして期待されるRPAだが、準備不足の状態で導入した企業が少なからず、運用に苦慮しているからだ(詳しくは特設サイト「RPAの教科書」に掲載されている記事を参考にしてほしい)。一過性のブームに終わらず、法改正をきっかけに、本質的な生産性向上と働き方改革の実施を期待したい。
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