「ギガ」提供は集客効果あり? シスコが個人商店向けAPを提供するワケ(2/2 ページ)
屋外設置OKモデルや「業務のギガ確保」機能も
Meraki GOは「屋内型モデル(GR-10)」と「屋外型モデル(GR-60)」の2種類がラインアップされる。特に不特定多数の利用者が想定されるゲストWi-Fi解放時に必要な機能が簡単にセットアップできる点が特徴だ。
最大で4つのSSIDをサポートし、店舗に設置したときに従業員用とゲスト用のWi-Fiを区別できる他、POSなどの業務端末向けにもトラフィックを確保できる。スマートフォンのアプリ経由でユーザーの通信状況を把握でき、例えばビデオストリーミングやダウンロードに多くのトラフィックを占有しているユーザーがいれば、その使用帯域をリアルタイムで制限することも可能だ。他にもゲストが利用開始する場合のスタートページを自サイトへリダイレクトさせる「ランディングページ機能」なども備えている。
Meraki GOの詳細なハードウェアスペックについては現時点では明示されていないものの、シスコ APJアーキテクチャビジネス開発担当 ビジネスデベロップメントマネージャー 渡邊靖博氏は「市販のAP製品の多くがアピールしているような高機能さを製品の特徴に据えるのではなく、弊社の製品をSMBや店舗スタッフが容易に導入でき、同じく容易にビジネスで運用できるというところを製品の最大の特徴にしている」と話し、無線LANアクセスポイントとしての高性能さよりも、信頼あるシスコ製品を特別な知識なく利用できるところを強調したい考えのようだ。
何度か触れているように、Meraki GOは2019年5月からアマゾンジャパンで販売される。販売価格は発表会時点で「屋内モデルが2万円台」「屋外モデルが3万円台」とされている。販売に関しては、Amazon以外での販売が望まれるようなら他のECチャネルから販売される可能性もあるそうだ。
Webexも新プランで少人数組織に対応
また同社は、Web会議サービス「Cisco Webex」についても、小規模事業者が導入しやすいプランを提供することを発表した。「Cisco Webex Starter」「Cisco Webex Plus」「Cisco Webex Business」の3プランを従来プランに追加する。各プランとも30日まで無償トライアルが可能であり、オンラインでの契約が可能。なお、トライアル期間が終了後に契約しなかったとしても、3人までのアカウントは無償で利用し続けることも可能になっている。
Meraki GOに加え、Cisco Webexでも中小企業へ強くアプローチしていくシスコは、この発表会で新たに中小企業向けの営業部門「SMB・デジタル事業」を立ち上げたことを発表した。同部門統括に就任した鎌田道子氏によれば「2015年に開始した中小企業向け製品群である『Cisco Start』は順調に成長している」としている。デイヴ・ウェスト氏が示した資料の中でも、Cisco Startの販売規模は3年間で6倍に成長しているとあった。
しかし鎌田氏は「Cisco Startのビジネスを展開していく中で、予算を割けない、IT担当者がいないという理由で、中小企業向けのCisco Startの導入に二の足を踏む小規模な中小企業は少なくないことも把握できた」と説明。より小規模な顧客層やネットワーク構築にDIYを厭わない顧客層へのアプローチが重要であることを認識。また、一般的に同社の製品やソリューションは全国のパートナー企業を介して各企業へ展開されるが、そこにリーチしない顧客層も少なからず存在すると判断し、Meraki GOのような直販→DIY可能な製品や、Cisco Webexのようにオンライン契約のみで利用可能なサービスを提供するという戦略に至ったのだ。鎌田氏は「今後も小規模事業者に特化して製品ポートフォリオを拡充し、販売体制やマーケティングを強化していく」と話した。
さらに、同社の製品をより広く人口に膾炙するため、Meraki GOのプロモーションムービーに知名度のあるタレントの渡辺直美さんを採用する。ネットやテレビCMなどで製品のプロモーションを展開していくという。
また「Cisco Network Experience Vehicle(Ciscoネットワーク体験車)」と名付けられた特別車両を開発したことも発表された。車両の両サイドには大型のディスプレイが搭載されていてCisco製品のプロモーションムービーを流せる他、車内には製品やサービスに実際に触れて体感できるデモスペースが確保されている。これで全国を巡回し、大学やイベント会場に出向くなどして、情報の少ない地方においてもシスコ製品をアピールする狙いだ。また同車両は有事の際には被災者を支援するネットワークサービス車両として活躍することもできるといい、災害時のコミュニケーション支援にも役立つとされている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
イベントレポートアーカイブ
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー