「ギガ」提供は集客効果あり? シスコが個人商店向けAPを提供するワケ(1/2 ページ)
シスコシステムズのネットワーク装置をECサイト「Amazon」で直接購入できるようになった。箱を開けて5分でゲストWi-Fi付きの無線LANアクセスポイントをセットアップできるという。全国の小規模事業主が気軽に顧客に「ギガ」を提供できるようになる。
「ギガが足りない」としてWi-Fiを求めてさまよう民衆の映像を使った携帯電話キャリア企業のコマーシャル作品が記憶に新しい。
趣味のコミュニケーションの合間に業務連絡やちょっとした調べものをしたり、あるいは私用で中抜けした場所で、仕事の連絡を取りたいかもしれない。スマートフォンなどのモバイル機器をいつでもどんな場面でも利用したいと願うのは決してスマホ中毒の方々だけではないだろう。市街地で活動する人ならば無料Wi-Fiのある大手カフェチェーンやコワーキングスペースの場所を事前にチェックしておくことも少なくない。
一方で、美容サロンや雑貨店、飲食店などの「個人商店」と呼ばれる小さな組織は日本全国にたくさん存在する。大掛かりなIT投資をする規模ではないが、業務用PCや決済端末向けのネットワーク回線は引いているかもしれない。こうした組織にとって、ゲストWi-Fi機能を持つ「Cisco Meraki」のような製品は実はそれでも導入ハードルが高いものだった。「Webブラウザで192.168.0.1にアクセスして、暗号化やパスワードは……」と特殊なIT用語でセットアップを指示するツールは、決して一般のユーザーにとってフレンドリーなものではない。
日本全国どこに行っても「ギガ」を求める顧客に「ギガ」を提供して集客できるのは、アクセスポイント設置のこうした難しさに対応できる、IT担当がいるような大手チェーン店、IT通のいる一部の事業者に限られてしまうのが現状だ。
こうした状況を受け、シスコシステムズ(シスコ)も戦略を練る。Merakiを始めとする「Cisco Start」ブランドによって、シスコのネットワーク機器が大企業以外でも使いやすくなっていることは既報の通りだ。だが、ネットワーク技術者でない利用者が「購入して5分でゲスト用Wi-Fiを運用できる」というのは信じられるだろうか。
しかもSIを介さず直販で、だという。すわパートナービジネスから舵を切るのかというと、そうではない。狙いはどこにあるか。
シスコが、個人事業主やスタートアップ企業、飲食店など従業員25人以下の小規模な事業者をターゲットとした新ネットワークソリューション「Meraki GO」を発表した。国内では5月からアマゾンジャパン(Amazon.co.jp)で販売する予定だ。
SI企業や通信会社に相談せずに5分で設置できる
発表会で登壇した同社代表執行役員社長 デイヴ・ウェスト氏は、「日本では企業の99.7%がSMB(従業員100人未満の中小企業)であり、そのうちビジネスにおいてITを活用し切れていない企業は80%を超える」と国内の中小企業の現状を分析する。今後はそうしたの企業向けの製品販売にも注力する。「Meraki GO」は、その先鞭となる製品ということになる。
「Meraki GO」を端的に説明すると、従業員25人未満のSMBやカフェなどの店舗向けの「無線LANアクセスポイント」だ。他にも小売店やスポーツジム、ホテルや民宿といった事業者がターゲットとされている。すでに欧米では2018年9月から販売が開始されていた同製品ではあるが、UIなどを日本語ローカライズするために国内発売に多少の遅れがあったという。この完全ローカライズも同製品の重要なポイントの1つである。というのもMeraki GOの最大の特徴は「ITの専門知識がなくとも観点に運用できる」という点にあるからだ。
「箱から出して5分で設置終了」とアピールされているように、Meraki GOにLANケーブルを接続してスマートフォンから付属のQRコードを読み込めば初期設定が完了するという容易な仕様となっている。また、運用や利用者の監視に関してもスマートフォンの専用アプリを介して行える。日本語ローカライズもその「容易さ」の一環であり、必ずしもIT担当者がいるとは限らないSMBやさらに小規模な事業者においても導入と運用のハードルを下げる狙いがある。また、冒頭でも触れたように、シスコ製品としては異例である「Amazonでの直販」というところも同様の理由によるものだ。
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