プロセスマイニングとは? RPAとの関係、効果、製品選定や運用のポイント(2/4 ページ)
プロセスマイニングツールの導入効果
プロセスマイニングによってユーザーが享受できるメリットは多岐にわたるが、ここでは主だったものを幾つか挙げる。
プロセス発見
特定業務の遂行に使われたシステムのイベントログを分析し、業務プロセスをフローチャートの形に可視化する。従来は、専門のコンサルタントが業務現場に赴き、担当者からヒアリングを行ったり、実際に業務が行われている現場を観察したりして、既存の業務プロセスを図に書き起こしていた行程だ。
既に述べた通り、コンサルティングによる作業は高いコストがかかる他、実際に行われているプロセスを現場担当者がありのまま話すとは限らないため、正確性の面でも課題が残る。一方、プロセスマイニングは、システムのイベントログを基にプロセスを抽出するため、人間の主観が介在せず、既存業務のありのままの姿を客観的に可視化できる。
既存業務のプロセスがフローチャートの形で提示されるだけでなく、それぞれの業務処理にかかった時間や(図2)、あるプロセスから別のプロセスへ移行するまでの待ち時間なども一目で把握できるため、プロセス全体のボトルネックがどこにあるかを迅速に突き止められる。またイベントログには「どのユーザーが操作を行ったか」も記録されるため(図3)、ユーザー別の作業時間も整理・可視化され、ユーザーごとの生産性の違いも一目で把握できる。
適合性検査
プロセスマイニングツールの中には、既存の業務プロセスを可視化するだけでなく、あるべき理想のプロセスをツールに取り込んで、現実のプロセスとの間の差異を可視化できる機能を備えたものもある。例えば、イタリアのCognitive Technologyが開発・提供する「myInvenio」というプロセスマイニングツールは、あらかじめ定義した「To Be」のプロセスをxpdlまたはBPMN2.0形式のファイルで取り込み、それを「As Is」のプロセスと比較することで、「本来の業務手順から逸脱したプロセス」「本来やらなければいけないのに行っていないプロセス」などを分かりやすく提示してくれる。
こうして、業務プロセス内に存在する問題箇所を是正し、業務の無駄を省くとともに、社内ルールや業界ルール、法制度に対する違反を未然に防いでコンプライアンスを強化できる。
プロセス強化
プロセスマイニングによって実際に行われている業務プロセスが可視化されると、全員が同じプロセスに従っているとは限らず、実際には数多くのバリエーションが存在していることが分かる。これらのうち、悪い意味でルールから逸脱しているものは早急に是正する必要があるが、ある特定のバリエーションのプロセスが極めて高いパフォーマンスを発揮している場合は、それを「ベストプラクティス」として標準化し、他のユーザーにも倣わせることで、業務全体の効率を底上げできる可能性がある。
プロセスマイニングにおいては、そうしたプロセスを「ハッピープロセス」と呼び、例えば前出のmyInvenioでは、可視化したさまざまなプロセスのバリエーションの中から容易にハッピープロセスを抽出できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT導入完全ガイド
注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Windowsを使い続けるのは正解か? 「Linux化」というモダナイズのもう一つの選択肢
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
4
ニンテンドーシステムズ開発者が明かす、通信「低遅延・安定運用」のコツ【事例集】
-
5
グループウェアの導入状況(2018年)/前編
-
6
Switch 2は「12人通話」でもなぜ軽い? 新機能「ゲームチャット」超低遅延の秘密
-
7
「新しいOutlook」って使ってる? 移行で変わるメール誤送信対策
-
8
スウェーデン発、AI議事録Klangが日本上陸 無料で文字起こし無制限
-
9
ランサムウェア対策の3ステップ AWSが提唱する「3-2-1-1-0」ルールとは
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー