“野良Slack”を組織に取り込み決裁時間を大幅削減 DeNAの現場はどう変わったか(3/3 ページ)
全社で徹底的にslackを使い倒すためのロードマップを策定
組織コミュニケーションの円滑化と同時に、他システムとのインテグレーションによる業務の効率化も積極的に進めている。IT戦略部内からアイデアを募り、どうSlackを効果的に活用するかを検討した。出たアイデアに対して効果の高さと実現難易度を評価した。優先度を4段階で設定し、優先度の高いものから順に実現する方針でslack活用のロードマップを策定した。
すでに実現している事例は次のようなものがある。
実現例1:問い合わせチャットbotで自動応答
自然言語解析サービス「Dialogflow」とSlackを連携させ、IT部門や人事・総務部門などへの簡単な問い合わせに対する回答を自動応答するチャットbotを構築した。
実現例2:財務会計システムの承認プロセスをSlackで
Oracleが提供する財務会計システム「NetSuite」と連携し、申請から承認までのフローをSlackで完結する仕組みに変えた。従来、承認者は申請内容がメールで通知されたらNetSuiteで承認処理をしていたが、これをSlackに承認通知が届く流れにした。承認者は届いた内容を見て「承認」「差し戻し」を選ぶだけだ。今まで平均5時間かかっていた申請から承認までのフローを1時間に短縮できた。
実現例3:セキュリティカードのエラー解除bot
執務室への入退室について、今までは共連れでの入室を防止するためセキュリティカードに入室時の記録がない場合は、退室の認証が許可されない仕組みだった。そのため退室時に認証エラーが生じがちで、その度にわざわざヘルプデスクのメンバーが対応する必要があった。これをSlackの専用チャンネルからbotにメンションをすることで、botが従業員情報を取得しエラーを解除できる仕組みに変えた。月に15時間〜20時間程度かかっていたヘルプデスクの対応工数を削減でき、夜間や休日などの時間外の対応も可能になった。
実現例4:SlackでRPAプロセスのオンデマンド実行を
Slackの専用チャンネルのbotへリクエストすることで、RPA(Robotic Process Automation )の起動を実行できる仕組みを現在開発中である。RPAを使っていても、時間外の例外的な実行が発生した場合は、人間が対応せざるを得ない場合がある。この時、RPAの権限を持たない従業員でもSlackのカスタムbotにリクエストを送るだけでRPAを実行できる仕組みにしようと、現在模索中だ。これが実現できれば、各種処理をSlackから実行でき、応用領域も広がりそうだ。
社内スタッフやマネージャーだけでなく、社外のパートナーも含めたコミュニケーションとコラボレーションを促進するツールとしてSlackを活用する。その活用は、業務効率化と働き方改革を進める手段にもなりつつある。DeNAは、SlackのさらなるSlack活用を模索し、組織文化を進化させようとしている。
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