AI導入で苦戦する企業は何がダメなのか? 陥りやすい失敗パターンと解法(2/2 ページ)
これを満たせば成功に近づく3つのポイント
AIプロジェクトに必要なのは技術だけではない。ビジネス的観点から、実現性と効果を考察し、AIプロジェクトをアセスメントすることも重要だ。特に重要な視点は以下の3つだ。
Cost Leadership(コスト/工数削減)
即座にROIが見えるようなプロジェクトもあれば、10年後に回収できればよいという案件もある。コストを重視しすぎると、未来の競争力を失う可能性があるため、冷静な判断が必要だ。
Differentiation(差別化)
これは、競争力につながる差別化要素とビジネスバリューを考えているかどうかだ。例えばAIチャットbotを開発する際、ただコスト削減のためにというだけではなく、他社のビジネスとどう差別かできるかを考慮することが重要だ。
Focus(ニッチAI適用領域)
ピンポイントで効果を出せるニッチな適用領域に対して最適なAI手法があるかどうかだ。
石川氏は、今までの経験を振り返るとこの3点を満たしたプロジェクトは、成功する確率が高いという。
最後に、石川氏は「AIバリューアセスメント」(AIVA)の重要性について語った。AIプロジェクトを進めるフェーズの中で、ここを怠ってしまうと、「こんなはずじゃなかった」となるケースが多いという。AI適用領域のアイデア出し、各アイデアに対するROIの算出、技術検討、ベンダー選定、PoCがAIバリューアセスメントの領域だという。ここにプロジェクト工数の約40%を費やすつもりで注力すべきだと石川氏は語る。このフェーズがビジネス戦略に沿ったAIプロジェクトを推進する上で、最も肝になる部分だという。
このように、AIプロジェクトには技術的視点だけではなく、ビジネス視点でプロジェクトをマネジメントできる人材が必要だが、そうした“つなぎ役”を担う人材が今不足しているという。
一般的なシステム開発案件であれば要件リストがあれば進むが、AI開発ではビジネス領域の知識もないとうまく進まない。最後に石井氏は「AIプロジェクトには、戦略を俯瞰(ふかん)して見る人と実行する人、インフラを見る人に加えて、経営と開発プロジェクトの間に入り、ビジネス視点からマネジメントできる人材がいるからこそ成功する。そこを埋めるのが、AIバリューアセスメントでありAIプロジェクトの成否を握る鍵となる」と締めた。
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