テスラの大規模リコール、原因は思いもよらぬメモリ問題:600th Lap
最先端技術を搭載したTeslaのEVリコール問題が話題となった。リコールに伴う費用は日本円にして200億円超というが、そんな大規模リコール問題の原因となったのは、意外なものだった。
世界的にCO2排出減の動きでEV(Electric Vehicle:電気自動車)に注目が集まっている。東京都も2030年までにガソリン車の新車販売廃止を目指している。そんな世界的なEVムーブメントの火付け役といえば、Teslaだろう。EVの専門ベンダの先駆者である同社は車好きはもちろん最先端テクノロジーが満載でIT関係者たちの耳目も集めている。
そんなTeslaが送り出したEVに、過去最大規模のリコール問題が持ち上がった。まさか、あのメモリがリコールの原因だったとは……。
Teslaは2021年2月2日、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)にリコールを届け出た。問題は、Teslaの製品の中で、2012~18年製セダンの「モデルS」、2015~18年製SUVの「モデルX」に発生した。
同社のオーナーフォーラムには以前から当該車種において「後方カメラ、ウィンカーが正常に作動しない」「霜取り機能が動作しない」など動作不良が報告されていた。一部の車両はシステムがクラッシュして「文鎮」と化してしまうこともある。
それを受けてNHTSAは2020年1月15日に、該当する15万8000台に対してリコールするよう同社へ書面で勧告した
当初Teslaはその勧告に対して「そんなことはない」と突っぱねていた。問題点はソフトウェアパッチを配布すればすぐに解決するというのが同社の主張だったからだ。
しかしNHTSAは「リコールはするべき」というスタンスを変えなかった。その結果、Teslaは勧告を受け入れて過去最大の13万5000万台のリコールを発表した。
そもそもなぜアップデートファイルで解決できるはずの問題が解決できなかったのか。それは当該車種に搭載されていたフラッシュメモリであるeMMCメモリが原因だったという。
該当する車種に搭載されていたeMMCメモリの容量は8GBで、繰り返し配信されたアップデートファイルを適応するための容量が足りず、問題が解消できなかった。
Teslaはリコールによって車両に搭載されたメモリを64GBに交換するという。勧告された15万8000台のうち、2万3000台の車両はリコールに値せず、最終的に13万5000台がリコール対象となった。
同社の負担する金額は2億~2.5億ドル。8GBと言わず、もっと大きめのメモリさえ搭載していればここまでの問題にはならなかったはずなのに……。
上司X: Teslaのクルマが過去最大のリコールという話だよ。
ブラックピット: おお、13万5000台はかなりなものですね。
上司X: まあね。リコールに伴う費用は、日本円にして200億円オーバーぐらいになるかな。企業的には大きなダメージだろう。
ブラックピット: しかも原因がeMMCの書き換え摩耗による容量不足か。
上司X: 笑いごとではないさ。しかし8GBはさすがにもう小さいんだろうなあ。最近のスマホだって内蔵メモリ8GBってことはまずないはず。
ブラックピット: そうですねえ。スマホで8GBだとちょっとアプリ入れたらもう終わってしまいますよ。
上司X: ま、スマホはスマホ、クルマはクルマだ。……でもここ数年で8GBなんてもはやなあ。ともかくケチらないでもう少しサイズ大きめにしとけばよかったのにな。
ブラックピット: というか、そんなのユーザーがメモリを差し替えて大きくできるような仕様にしておけばこんな大規模リコールになるようなこともなかった気もしますけどね!
ブラックピット: リコールが起きないのが正解かもしれないけどな。問題が起きたとしてもそれをパッチ配信で改善できる、というのもこれからのクルマのスタンダードなんだろう。だからこそ今後は大きめのメモリをね、というのも、これからのスタンダードになるかもな。
お詫び:公開当初、リコールの原因はメモリ不足であるとしていましたが、「リコールの原因はeMMCの書き換え摩耗」であるとテスラが発表していたため訂正し再公開いたしました。関係者の皆さまには謹んでお詫び申し上げます(19 Feb 2021 14:20)
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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