ITエンジニア、転職活動の年収交渉で給与アップが9割 「印象が悪くなる」は妄想?
キッカケクリエイションは、転職経験のあるITエンジニア393人を対象に年収交渉の実態を調査した。転職時にITエンジニアの7割以上が年収交渉を経験している一方、未経験者では印象悪化への不安や交渉方法への理解不足が障壁となっていた。
キッカケクリエイションは2026年5月12日、転職経験のあるITエンジニア393人を対象に実施した年収交渉に関する調査結果を発表した。調査において、転職時にITエンジニアの7割以上が年収交渉を経験している一方、交渉未経験者の間では「印象が悪くなる不安」が大きな障壁となっている実態が浮かび上がった。
年収交渉の経験は7割超 交渉経験者の多くが待遇改善を実現
転職時に年収交渉をした経験について尋ねた設問では、「すべての転職で実施した」が32.8%、「一部の転職で実施した」が41.7%となり、合計74.5%が交渉経験を持っていた。「一度も実施したことがない」は24.7%だった。
年収交渉しなかった理由では、「印象が悪くなるのではないかと不安だったから」が30.9%で最多となった。続いて、「年収交渉の切り出し方やタイミングがわからなかったから」が26.8%、「自分の市場価値がわからず、妥当な金額を提示できなかったから」が24.7%だった。「内定が取り消されることが怖かったから」も20.6%に達しており、心理面の負担が交渉回避につながっている。
交渉経験があると答えた293人に結果を尋ねた設問においては、「希望通りの年収になった」が34.5%、「希望額には届かなかったが、一定の年収アップが実現した」が56.3%だった。両者を合計すると90.8%となり、多くのエンジニアが交渉によって待遇改善を得ていた。「年収は変わらなかった」は7.8%、「年収が下がった」は0.7%にとどまった。
交渉成功の要因としては、「自分のスキルや実績を具体的に伝えられたから」が59.4%で最多となった。「業界の年収相場を事前に調べて、根拠を持って交渉できたから」は43.2%、「転職エージェントが代わりに交渉してくれたから」は33.8%だった。複数の内定を獲得していたことや、企業側の採用意欲の高さを挙げる回答も目立った。
転職エージェントの活用状況については、「すべての転職で活用した」が33.6%、「一部の転職で活用した」が50.1%となり、合計83.7%が「利用経験がある」と答えた。
エージェントを利用して良かった点では、「自分では言いにくいことを伝えてもらえた点」が50.8%と最も高い。その他、「交渉の進め方やタイミングをアドバイスしてもらえた点」(38.0%)、「適切な年収相場を教えてもらえた点」(37.4%)、「年収交渉を代行してもらえた点」(31.9%)、「企業との間に入ってもらえる点で、交渉の心理的ハードルが下がった点」(30.1%)などが続いた。
エージェントを利用しなかった理由においては、「知人の紹介や直接応募で転職が決まったから」が23.7%で最多となった。「エージェントに頼る必要性を感じなかったから」が22.0%、「自分で転職活動を進めたかったから」が20.3%で続いた。
今後の転職活動で年収交渉をするかどうかを問う設問では、「積極的に行いたい」が31.8%、「できれば行いたいが、自分で交渉できるか不安」が50.6%となり、合計82.4%が交渉意向を示した。他方で、交渉に不安も根強く残っている。
必要な支援については、「業界・職種別の年収相場情報を提供してもらうこと」が63.9%で最多となった。「転職エージェントなどのプロに交渉を代行してもらうこと」が48.5%、「自分の市場価値を客観的に評価してもらうこと」が47.8%で続いた。「交渉の具体的な進め方や伝え方を教えてもらうこと」も33.0%に達した。
自由回答では、「年収提示の理由や背景を知りたい」「中途採用時の年収実績を知りたい」「企業側の予算感が分かると交渉しやすい」といった意見が寄せられた。自身の市場価値の伝え方や、交渉を受け入れる企業文化への期待を示す声もあった。
今回の調査結果から、ITエンジニアにとって年収交渉は待遇改善につながる可能性が高いものの、交渉の心理的障壁が大きいことが明らかになった。特に、相場情報や客観的な評価、第三者による支援を求める傾向が強く、転職市場における情報提供や交渉支援の体制作りが今後の課題となりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Googleの自動化ツール「Workspace Studio」×Gemini、4つの業務効率化アイデア
-
2
M365 Copilotを配っても「使われない」 でもAI活用が進んだ福島県庁の"逆張り"戦略
-
3
「Gemini 3.8 Flash」の狙いは“賢さ”ではない? 発表から見えた3つのポイント
-
4
SOAPはRESTに負けたのか? 「古いAPI」を残すか見直すか
-
5
「Copilot、Word文書まとめて」で社内全滅? 勝手に増殖するAIウイルスで大騒ぎ:895th Lap
-
6
AI議事録「精度98.86%」だけで決められない 5製品の比較表で分かる、選定の分かれ目
-
7
「作った本人しか使えない」を避けるには 文化祭POSが36校へ広がるまで
-
8
新SAP認定試験は「AIの利用OK」 実践型の新方式で備えるべきことは?
-
9
「AIを入れたのに、仕事が変わらない」 企業が見落としている"使い方"
-
10
求職者がAIで会社を選ぶ時代、AIの「企業評価」が採用にも影響 企業はどう対策すべき?
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー