雪印メグミルク、ChatAIや社長AIで社内知見を活用 DX認定取得企業から“DXっぽさ”を探る
どのような活動をすればDX推進と言えるのか。DXという言葉が普及した現在でも、その答えを一つに定めることは難しい。今回の記事では、経済産業省から「DX認定事業者」の認定を受けた雪印メグミルクの例を参考に、DX推進の具体像を探る。
DXという言葉が普及したものの、どのような活動をすればDXを推進できるか分からないといった声は多い。取り組みに際して一つの指標となるのが、経済産業省が定める「DX認定制度」だ。
「DX認定事業者」取得の雪印メグミルクから見る、何をすればDXなのか
雪印メグミルクは2026年8月1日付で同制度に基づく「DX認定事業者」の認定を取得した。同制度は、DX推進の準備が整っている事業者を認定するものだ。いったい雪印メグミルクではどのような取り組みを通じて、その取得にいたったのだろうか。
雪印メグミルクは、2025年4月にDX戦略部を発足させた。研究開発や生産、営業、ロジスティクスなどの各部門が参加するDX推進会議を定期的に開き、個別施策の方向性や課題を協議している。部門をまたいだ連携を図るほか、経営層との対話を通じて経営戦略と現場施策の整合を取り、全社横断の変革につなげている。
生成AIの活用では、2024年4月から雪印メグミルクとグループ会社を対象に、対話型生成AI「YuMe*ChatAI」を運用している。社内に蓄積された過去の知見や問い合わせ、対応履歴などへアクセスできる環境を整え、知見の共有や業務効率化につなげるとともに、新たな価値の創出を目指す。2026年5月には、企画立案や業務改善について経営視点で壁打ちできる「佐藤社長AI」も搭載した。
データ基盤では、DWH(データウェアハウス)やダッシュボードを活用し、データに基づく経営判断の高度化・迅速化や業務効率化に取り組んでいる。コミュニケーション基盤には、雪印メグミルクとグループ全社が利用できるポータルサイト「YuMe*Portal」を採用した。経営方針や各組織の施策、知見、事例を共有し、部門や会社の枠を超えた連携を促している。
人材育成では、DXを担う人材像を習熟度に応じて「DX基礎人材」「DX推進人材」「DX高度人材」の3段階で定義した。さらに、「ビジネス変革」「データドリブン」「セキュリティ」の3類型を設定し、レベルと類型に応じた研修テーマを定めている。全社員のDXリテラシー向上から、施策や組織変革を主導する人材の育成までを段階的に進め、全社のDXを支える方針だ。
今回の認定は、こうした全社体制や基盤整備、AI活用、人材育成を含むDX推進の準備が整った事業者として取得したものだ。同グループは認定を従来施策の到達点とはせず、次の変革へ踏み出す出発点と捉える。今後もデジタル技術によって事業基盤を強化し、データ活用から価値を生み出すことで、「食の持続性の実現」と持続的な企業価値の向上を目指すという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Googleの自動化ツール「Workspace Studio」×Gemini、4つの業務効率化アイデア
-
2
M365 Copilotを配っても「使われない」 でもAI活用が進んだ福島県庁の"逆張り"戦略
-
3
「Gemini 3.8 Flash」の狙いは“賢さ”ではない? 発表から見えた3つのポイント
-
4
SOAPはRESTに負けたのか? 「古いAPI」を残すか見直すか
-
5
「Copilot、Word文書まとめて」で社内全滅? 勝手に増殖するAIウイルスで大騒ぎ:895th Lap
-
6
AI議事録「精度98.86%」だけで決められない 5製品の比較表で分かる、選定の分かれ目
-
7
「作った本人しか使えない」を避けるには 文化祭POSが36校へ広がるまで
-
8
新SAP認定試験は「AIの利用OK」 実践型の新方式で備えるべきことは?
-
9
「AIを入れたのに、仕事が変わらない」 企業が見落としている"使い方"
-
10
AIは「使う」から「組み込む」へ — NOT A HOTELに学ぶ、Zoom×AI×API連携で実現する業務自動化と生産性100倍を目指す組織
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー