問い合わせ対応に追われる現場 日進製作所がワークフローで変えた「IT部門の仕事」
電話やメール、チャット、口頭。社内問い合わせがバラバラだと、IT部門は受付や対応状況の確認に追われる。日進製作所グループは、こうした問い合わせ業務の分散や二重入力、チケット起票の負担をワークフローで見直した。
電話や内線、チャット、メール、口頭。社内の問い合わせ窓口が複数に分かれていると、IT部門は問い合わせを受けるだけでなく、「誰から、何を頼まれたのか」「どこまで対応が進んでいるのか」を個別に確認しなければならない。
日進製作所グループでも、こうした問い合わせ経路の分散が課題となっていた。交通事故報告などでは、同じ内容を別のシステムへ再入力する必要があり、転記ミスが発生することもあった。さらに、問い合わせへの対応チケットを手作業で起票していたため、入力の負担に加えて起票漏れも発生していた。
フォームに入れれば、通知もチケット起票も自動で
こうした「問い合わせを受ける」「情報を転記する」「対応チケットを起票する」といった一連の業務を効率化するため、同グループはワークフローの見直しに着手した。従業員の平均年齢が高い組織でも使いやすく、IT部門が現場の要望に応じてフォームを作成・追加できる点などを評価し、エイトレッドのワークフローシステム「X-point Cloud」を採用した。
導入後は、社内の問い合わせをフォームに集約し、受付状況や対応履歴を確認できる環境を整えた。FAQへの誘導や画像添付機能も活用し、従業員自身による自己解決や、IT部門による初動対応の迅速化を図った。
交通事故報告などの業務では、関連書類機能とクエリ機能を利用した。入力済みの情報を活用することで、同じ内容を繰り返し入力する作業を減らし、転記ミスの削減と基幹システムへの登録効率化につなげた。
さらに、Microsoftの「Power Automate」や生成AIの「Microsoft Copilot」などとも連携した。「Microsoft Teams」への通知や、「Redmine」の対応チケットを自動で起票する仕組みを構築した。これまで担当者が手作業で行っていたチケット起票を自動化することで、入力負担を減らすとともに、起票漏れの防止にもつなげた。
「使いやすさ」と「現場で変えられること」を重視
システム選定では、従業員の平均年齢が高い組織でも使いやすく、現場に定着しやすい点を評価した。また、IT部門が現場の要望に応じてフォームを作成・追加できる構造も採用理由となったという。新たな業務に対応する際、IT部門側でフォームを追加しやすく、現場の変化に合わせて運用を広げられる点を重視した。
こうした拡張性によって、従業員が入力するフォームだけをデジタル化するのではなく、その後に発生する通知やシステム登録、対応管理まで含めて業務プロセスを効率化することを目指した。
全社約800人、75種類のフォームを利用 「申三郎」が定着
現在、X-point Cloudは日進製作所グループ全社で利用されており、約800人が75種類のフォームを使っている。社内では「申三郎」という愛称が定着し、「まず申三郎を見る」という利用習慣も生まれた。
導入によって、社内の問い合わせをフォームに集約し、受付から対応までの状況を把握しやすくしたほか、FAQや画像添付による自己解決、関連情報の活用による二重入力の削減、外部ツールとの連携によるチケット起票の自動化まで、複数の業務改善につなげている。
今回の取り組みは、ワークフローシステムを導入して紙の申請を電子化するだけではなく、社内に分散していた問い合わせの入り口を集約し、既存のITツールや生成AIまでつなげることで、業務全体の流れを見直したものだ。
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