2008年はトップシェアベンダーが交代するなど、上位3社の競争が激しいワークステーション市場。シェア情報を紹介する。
IDC Japanの調べによれば、2008年の国内ワークステーション(WS)出荷台数は、6年ぶりのマイナス成長となる前年対比4.0%減の24万9000台、出荷金額は10.4%減の581億円となった。
第1四半期に高収益を記録した企業が製造業で多く、それに応じてWSへの投資も伸びるなど、第1四半期、第2四半期はそれぞれの四半期としては過去最高の出荷台数となった。しかし、下半期には経済環境の変化を受けて購入を先延ばしする企業が増え、出荷が落ち込んだ。
また、CADオペレーターなどWSを使用する労働者も含めた人員の削減により、従来は堅調であった更新需要が減少したことも出荷台数悪化の一因とみられる。
市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、日本HPが34.0%で初の1位となった。2008年はレノボ・ジャパンがデスクトップWSに参入し、逆に日本IBMが撤退した。顧客層や販売方法が撤退したIBMに似ている日本HPがそのシェアを引き継いだとみられる。
前年まで1位であったデルは30.2%で2位となった。3位にはNECが23.1%で続き、上位3社による寡占化が進んだ。なお、主にUNIXを搭載したトラディショナルWSでは、全てのベンダーが2008年中に市場から撤退した。
2009年の出荷台数は2008年以上に落ち込み、需要が本格的に回復するのは2010年半ば以降になるとみられる。2008年から2013年の出荷台数の年間平均成長率はプラス2.2%となり、2013年の出荷台数は27万7000台と予測される。
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