2008年度の市場規模は325億円。2010年には10%超の市場成長が予想されるネットワーク管理ツール。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、ネットワーク管理ツール市場は通信事業者におけるリプレース需要で支えられると同時に、大手企業における需要の伸長が続いた結果、ライセンス料やサポート料を合計した2008年度の市場全体での規模は325億円となった。
2009年度はIT市場全体での投資抑制のあおりを受け、これまでのような前年比2桁伸長は厳しいものとみられ、2009年度の市場規模は3.1%増の335億円と見込まれる。しかし、2010年度からは景気回復を見越す形で、再び10%超の伸長が続くものと予測される。
2008年度の市場占有率を見ると、2社が数量ベースで39.8%のシェアを確保した。金額ベースでは、機能強化とともに多方面の企業とのOEMを行うベンダーが43.7%で首位となる一方、監視系の運用管理の一環としてネットワーク管理ツールを提供するベンダーが30.2%で2位となった。
IPv4とIPv6が混在することで生じる管理手順の明確化に対する需要や、ネットワーク環境の拡大に伴う管理/監視の必要性の増大など、今後も市場拡大は望まれる。その半面、ベンダー間での競合も激しく、リプレース需要と新規需要の兼ね合いを見極めた対応がベンダーにとって必要となろう。
加えて、ネットワーク環境が不特定多数で構成されるようなクラウド化が進めば、固有IT資産の管理や監視が必須となることから、さらにネットワーク管理ツールへの需要が拡大するものとみられる。
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