ここ数年間でパッケージ化が進んでいる中堅・中小企業(SMB)のERP市場。シェア情報を紹介する。
ノークリサーチの調べによれば、中堅・中小企業(SMB)におけるERPの導入形態比率は、2009年6月〜9月の調査でパッケージ利用が70.3%となった。
ここ数年間でパッケージ化が進んでいるが、独自開発システムもまだ29.0%存在する。自社の要件を満たすにはパッケージでは不十分と考えるユーザーもあり、独自開発システムからパッケージへ移行するスピードはやや鈍化しつつある。
一方で、主要ベンダーが相次いでASP/SaaS(Software as a Service)への参入を開始したが、現時点で導入形態に占める割合は0.7%にとどまった。
パッケージの市場占有率(導入済み社数ベース)を見ると、OBCが13.2%で1位を堅持した。2位はSAPジャパンが10.6%、3位には富士通が10.2%で続いた。
ユーザー企業の年商帯に応じて主要なベンダーが異なり、年商50億円未満ではOBCやOSK、年商50億円以上300億円未満では富士通やオービック、年商300億円以上ではSAPジャパンなど、ボリュームゾーンはベンダーごとに異なる。
しかし、2009年はOBCが年商50億円以上、富士通が年商50億円未満でそれぞれシェアを伸ばすなど、上位や下位の年商帯へ訴求範囲を広げようとする動きが見られ、今後は各ベンダーのボリュームゾーンが重なり合い、各年商帯でもシェア競争がより激しくなると考えられる。
なお、利用予定シェアでもOBCが1位となったが、上位6社の差はわずかで、今後も激しいシェア争いが予想される。
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