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マイナンバー制度が企業に与えるインパクトすご腕アナリスト市場予測(4/5 ページ)

» 2014年03月20日 10時00分 公開
[八木晃二野村総合研究所]

システム影響の勘所

 企業はマイナンバー制度に対して、以下の様なシステムの改修を行う必要がでてくると思われる。

  • 人事給与システムの改修(本人確認書類の保管、税・社会保障関係調書へのマイナンバー記載)
  • 委託先管理システムの改修(報酬の支払調書へのマイナンバー記載)
  • マイナンバー記載調書の電子管理システムの導入(マイナンバー記載調書のライフサイクル管理)

 特定個人情報の漏えいや目的外利用を防ぐためには、既存システムにマイナンバーのためのデータ項目を単に追加するのではなく、マイナンバーへのアクセスについて、厳格なアクセスコントロールを実施できる仕組みを導入しなくてはならない。

 マイナンバーを取り扱うシステムには、以下が求められると思われる。

  • マイナンバーにひも付く業務やデータを、そうでないものと明確に分離する
  • 特定個人情報を閲覧できる人は、当該業務に関わる人物のみとする
  • どの特定個人情報を誰が閲覧したかについてログを保管する
  • 退職や法定保管期限に合わせて、特定個人情報の破棄を行う

金融機関への影響

 ここまで一般の事業会社への影響を述べてきたが、マイナンバー制度は金融機関にも大きく影響する。現在個人顧客単位の法定調書を作成している金融サービスについては、マイナンバーを法定調書に記載していかなければならない。

マイナンバーをひも付けなければならない金融機関の口座、事業会社の業務 表2 マイナンバーをひも付けなければならない金融機関の口座、事業会社の業務

 証券口座、銀行投信/公共債口座については、2016年1月から3年以内に各投資家からマイナンバーの告知を受け、口座に対してマイナンバーをひも付けていかなければならない。保険については、保険金支払い時にマイナンバーの告知を受ければよいのか、制度開始時から既存契約に対してマイナンバーの告知を受けなければならないのかは、今後出てくる省令で明らかになってくる。

 なお、銀行の預金口座については、2018年以降にマイナンバーとひも付けていくことが検討されている。

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