クラウド連携と並んで複合機ベンダーが注力しているのがスマートフォンやタブレットからの利用機能の充実だ。モバイル端末用アプリは各社から無償提供されており、複合機の機能のほとんどがモバイル端末で利用可能になっている。中には無線LANでつないだモバイル端末が、複合機パネルのエミュレーションを行うものもある。この場合はオフィス内のどこからでも複合機の全機能が使えることになる。
とはいえ最も注目すべきなのは外出先からの社内複合機の利用に違いない。クラウドを利用して出先で共有データを利用したり、急な要件があればFAX送信をしたり、会社に着信した自分あてFAXを閲覧したりすることが可能になり、モバイルワークの幅が大きく広がった。
紙の文書をスキャンして電子文書化してファイリングする方法も洗練を続けている。両面同時スキャンは当たり前になり、天地がバラバラでところどころ裏返しになっている原稿をセットして自動フィードで一括スキャンしても、自動的に適切に並べ替えしてPDFなどの文書に変換する機能が備わるようになった。また操作パネルが大画面になり、タブレット感覚のタッチ操作が可能になっているので、手動でのページ回転や入れ替えなどが指の直感的な操作で行える(図4)。
また、スキャンした文書を自動翻訳するサービスも簡単に利用できるようになった。図5のように普通に原稿をスキャンすると、そのレイアウトを保ったまま、別言語に翻訳した状態で出力できる。翻訳の品質は一般的な機械翻訳サービスと同等だが、簡易的に内容を把握する役に立つ。
さらに、スキャン文書や保管文書の他形式への変換機能も豊富に備えられるようになった。紙原稿をスキャンすれば、OCRで中身を読み取り、できるだけレイアウトが再現できるようにWordやExcel、PowerPointなどの編集可能な形式に変換してくれる機能だ(図6)。OCR機能を利用してテキストを付加し、全文検索できるPDFにすることもできるので、文書管理に便利だ。
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