クリープウェアを仕込む動機の1つは、強い性的な関心が挙げられる。実際の脅迫で要求されるのは金銭よりもさらに露骨なプライベート写真や映像であることが多いようだ。Sextortion被害を防ぐために、米国FBIは主に年少者に対して次のような事項(意訳)に注意するよう呼びかけた。
また、FBIによるSextortion手口の分析によると、犯人は被害者へのアプローチに一種のシナリオを用意し、SNSなどで型通りにやりとりすることで多くの犯行を成功させているようだ。典型例の1つは「最近近所に引っ越してきた者だが友達になってほしい」と接近する「New kid in town」手口、もう1つは「歌手活動をしている者だが、無料チケットやバックステージパスと写真を交換しよう」とそそのかす「Justin Bieber(動画投稿がきっかけで大成功した歌手。不正行為とは無関係)」手口だ。
実際に31歳の男が1人で数百人の若い女性をだましたアプローチ法だ。夢見がちな少女相手だから成功したベタな手口だと笑えようか。恐らく最初のコンタクトに好意的に反応するのは子どもだけではあるまい。
会話のエスカレートの仕方が巧みであれば、分別ある大人でもだまされてプライベート情報を渡してしまったり、不用意な行動でウイルスに感染したりすることがないとはいえない。残念なことではあるが、SNSなどで見知らぬ人相手に簡単に個人情報を明かしたり、ファイルのやりとりを行うことは厳に慎まなければならない。
自分の家族、特に子どもには、十分に認識させる必要がある。また、ISPによるURLフィルタなどが利用できる場合には利用すべきだし、端末を利用する家族は1人1人が個別にIDを持ち、安全で堅牢なパスワードを利用するといった対策も大事だ。
このような話題は企業内研修の場にはなじみにくいが、従業員の家庭を守るためにも、家庭と会社の両方で利用される可能性があるタブレットなどの端末にクリープウェアが仕込まれることがないようにするためにも、あらゆる機会を捉えて知識を広める努力が望まれる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。