スマートフォンやタブレット端末を使い、外出先でも申請や承認ができたらという声は多い。スマートデバイスからの利用を想定したワークフローツールの機能やありがちな失敗を紹介する。
経費精算や稟議書などの申請、承認フローを効率化するワークフローツールは、これまで社内PCでの利用がメインだった。しかし近年ではスマートフォンやタブレット端末が急速に普及し、ビジネスユースとして活用される場面が増えてきている。
そこで喫緊のニーズとして高まってきたのが、これらデバイスを使った外出先での承認処理だ。また、増加する企業統合などの動きに対応するワークフローの機能も登場してきている。
今回は、スマートデバイスからの利用を想定したワークフローツールの各種機能と、最近登場してきた新たな機能について紹介する。また、製品選定時の注意点を明らかにするとともに、ユーザー企業が犯しがちな失敗についても触れる。
スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、外出時の移動中といった隙間時間を使って、承認を行いたいという決裁者からのニーズが高まってきている。また、ワークフローの停滞を招かないよう、スマートデバイスを持っている上長に外出先で承認してもらいたいという現場からのニーズもあるようだ。
ここでは、そういったニーズを背景に採用が進むスマートデバイス対応機能を順に見ていこう。なお、スマートフォン専用画面が提供されている製品について取り上げる。
外出中の上長がスマートフォンの画面で、申請書の承認、否認、差し戻しを行うことができる機能だ。オフィス内のPCと同じく、Word、Excel、PDFなど各種添付ファイルの閲覧ができる他、承認待ちの申請書が多く、特定の案件を優先的に承認したい場合には、申請者名、申請書名、申請日からピンポイントで対象案件を絞り込むことも可能となっている。
図1の製品では、ユーザーが専用アプリをスマートフォンにダウンロードすることで、スマートフォン専用画面での承認作業を実現している。
承認者が、スマートフォンに表示させる申請書の項目や表示順を、申請書ごとに細かく設定することができる機能だ。これによって限られたスマートフォンの画面を有効活用することが可能となる。
現状、スマートフォン専用の画面が提供されているワークフロー機能としては、やはり承認機能が中心で、申請機能についてスマートデバイス対応をうたう製品でも、実際にはスマートフォンもしくはタブレット端末のWebブラウザで、PC画面が閲覧できるということのようだ。
実際の利用シーンを考えてみれば分かるが、申請作業には各種入力作業が必要で、これをスマートフォンの画面で行いたいと考えるユーザーはほとんどいないためだ。しかし、タブレット端末でなら入力作業も比較的容易なので、マルチブラウザ対応を実現しておけば、外出先での申請ニーズにも応えることができるということだ。
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