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ワークフローのモバイル利用、使い勝手の真相は?IT導入完全ガイド(2/3 ページ)

» 2014年05月12日 10時00分 公開
[西山 毅レッドオウル]

企業統合への対応など、より柔軟なワークフローを実現する機能

 急激に変化し、複雑さを増す近年のビジネス環境。企業は統合や合併を行うことで、こうした動きに対応している。また多様化する顧客ニーズや消費者ニーズを受けて、さまざまな意思決定をより柔軟に行っていくことも、企業には求められるようになった。最近ではこうした場面を支援するワークフローの機能が登場してきている。

会社間をまたぐ承認機能

 複数企業が統合され、主幹企業の主導でワークフローを整備する場合、あるいは既にワークフローを利用している親会社があり、子会社にもワークフローを導入して、子会社→親会社の承認フローをシームレスに実現したい場合、会社間をまたがるワークフローが求められることになる。

 こうしたニーズに対応するために、初めに子会社で申請され、承認が完了した案件を親会社にエスカレーションし、親会社での承認が完了した時点で、子会社での決裁も完了する機能を提供する製品がある。

 企業統合だけでなく、グローバル展開など業務の拡大に伴う拠点数の増加の際にも、統制を利かせた上で、一気通貫の申請、承認フローを構築可能にするものだ。

会社間をまたぐ承認機能の概要 図3 会社間をまたぐ承認機能の概要(出典:NEC)

多数決機能

 多様化する顧客ニーズ、消費者ニーズに対応するために、企業にはさまざまな取り組みが求められるようになってきた。現場スタッフやマネジメント層が意思決定を行う場面も増加してきている。そこでワークフローにも、より柔軟な承認フローを支援する機能が提供されてきている。

 その1つが多数決機能だ。あらかじめ承認の基準となる人数や割合を設定した上で、多数決による承認を可能にするものである。例えば役員決裁の場面で、1人の役員が否認したからといって稟議そのものを却下するのではなく、状況によっては、多数決により承認を決定したい場合もあるだろう。多数決機能を利用することで、迅速かつ適正な承認を行うことが可能となる。

多数決機能の概要 図4 多数決機能の概要(多数決基準となる人数や割合は設定可能)(出典:NEC)

相談/根回し機能

 また、事前に申請案件に知見を持った他部署のメンバーに意見を聞いた上で、フローを回したいという場合もあるだろう。そこでツール上の掲示板で質疑応答などを行い、そこでのやりとりを参考にした上で、ワークフローを回すことのできる製品もある。

 やりとりされた内容はツール側でログとして管理することができ、さらに公開についてもコントロールすることができる。当時者以外にもその内容を公開するなら「相談」、クローズにするなら「根回し」という位置付けだ。

相談、根回し機能の概要 図5 相談、根回し機能の概要(相談内容の第三者への公開可否は設定可能)(出典:NEC)

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