メディア

コミュニケーションツールの導入状況(2015年)IT担当者300人に聞きました(4/4 ページ)

» 2015年11月10日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
前のページへ 1|2|3|4       

不安は「セキュリティ」よりも「費用対効果」が分かりづらいこと

 コミュニケーションツールの導入に際して感じる「課題」についても複数回答方式で聞いた(図4)。最も多かったのは「費用対効果が証明しづらい」の68.1%だった。以下「セキュリティ面で不安がある」(46.7%)、「運用管理の負荷が増える」(35.1%)と続く。

 コミュニケーションツールは利用ユーザー数が多いため、導入すると運用負荷が増える傾向が多いのにもかかわらず、課題として「運用管理の負荷「より、「セキュリティ面の不安」が上回る結果をみると、メール誤送信などに起因する過去の情報漏えい事件の印象が強いのかもしれない。

 また、「業務部門で勝手に導入され、利用されている」(12.3%)という回答もあった。いわゆるシャドーITに対する懸念だ。特にチャットツールやオンラインストレージなどはプライベートでの利用が進んでおり、既に多くのユーザーはその利便性を熟知している。

 スマートフォンの普及率が高まっている昨今では、普段から使っている一般消費者向けITツールをビジネスでも利用するコンシューマライゼーションが発生しやすい。情報システム部は、それらツールを禁止する形で一方的に排除するのではなく、率先して利用してみて企業導入の可能性を検証してみる姿勢も求められてくるだろう。

コミュニケーションツールの導入で感じる課題(複数回答) 図4 コミュニケーションツールの導入で感じる課題(複数回答)

活用方法がイメージできないユーザーも

 最後に、アンケート対象者が感じているコミュニケーションツールに対してのフリーコメントをみると、「他社の事例が知りたい」や「どのような場面で役立つのか」「導入実績や効果、少人数組織での事例があれば…」など、うまく活用する方法を知りたいという声があった。コミュニケーションツールは活用方法が多岐にわたり、自社の具体的な使用イメージがかえって想像しにくいツールだからこそ、他社の成功事例を取り入れたいと感じるのかもしれない。

 コミュニケーションツールは活用により受ける恩恵は非常に大きいと思われるものの、前章で示したように、「費用対効果」が証明しづらいのも事実だ。自社にあった活用方法が見つけられれば、導入の後押しになるかもしれない。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。