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タブレット群雄割拠、企業で使うならiOS、Android、Windows?IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

ビジネスシーンにおける脱PCが進んでいる。その一翼を担うのが「タブレット」だが、ベンダーの設計思想も、表示と操作を兼ねるディスプレイサイズも異なる。

» 2015年12月14日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]

 ビジネスシーンにおける脱PCが進んでいる。その一翼を担うのが「タブレット」だ。しかし、一口に「タブレット」といっても、そのターゲットはベンダーの設計思想によっても、表示と操作を兼ねるディスプレイサイズによっても異なる。さながら群雄割拠の戦国時代のような様相となっている今、入手できるタブレット製品についてスペックを追いながら最新トレンドを確認したい。

そもそもタブレット端末とは何か?

 「タブレット」とは、板状の薄型な筐体にタッチパネルを兼ねるディスプレイを搭載したコンピュータ端末のこと。主に画面を触って操作し、基本的にはキーボードやマウスのような外部入力機器を必要としない。内蔵ストレージはSSDまたはeMMC(embedded MultiMediaCard)を採用する。HDDのような可動部がなく、CPUもモバイル向け省電力タイプなのでバッテリー駆動時間が長い。つまり持ち運んで使うことを前提としたデバイスだ。

 ディスプレイサイズは、おおむね7インチ以上13インチ未満といったところ。近年、スマートフォンのディスプレイサイズが拡大の一途をたど、6インチを超えるものも珍しくなくなっているが、タブレットは通話機能をメインとせず、基本的にはデータ通信のみのデバイスであることが大きな差異として挙げられる。

 また、無線LAN環境で運用する「Wi-Fiモデル」と、SIMカードを内蔵してLTE/3G回線も利用できる「セルラーモデル」とに大別できる。セルラーモデルにはキャリア(通信事業者)が回線契約とともにタブレット端末を提供するケースと、SIMフリー端末にMVNO業者のSIMを搭載するケースがある。

 市場的には現在「iPad」「Androidタブレット」「SurfaceおよびWindowsタブレット」という3グループで占められている。詳細は次節で解説することとして、まずは最近のタブレットの市場動向を見てみよう。

コンシューマには行き渡り、ニーズは法人へと移行

 IT系調査会社のIDC Japanによれば、2015年第1四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比13.6%増の229万台となった。コンシューマ市場ではやや需要が落ち込んだが、主に教育市場での需要が拡大した結果、ビジネス市場では前年同期比39.2%増の88万台となった。また、2015年第2四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比で13.4%減の169万台となった。しかしビジネス市場は好調で、需要拡大に伴い出荷台数が増加したため前年同期比35.0%増の54万台となっている。

 ビジネス市場における3大タブレットの「台数ベース」のシェア比率は詳細な資料が未公開なものの、iPadがトップであるのは数年来変化なしで、次いでAndroidタブレット陣営が追随しているのも同様。しかしiPad、Androidタブレットは最近ややシェアを落とすとともに、Surface/Windowsタブレット陣営による猛烈な追い上げが進んでいるという。

 下の図はベンダー別の台数ベースのシェアのグラフであり、ここで挙げている3大タブレットの市場シェアを明確に示すものではないが、「Apple=iPadシリーズ」ということでそのシェアの大きさが分かる。他ベンダーに関しては、「Microsoft=Surface」だが、AndroidタブレットとWindowsタブレットの両方を提供するベンダーも多く、単純には比較できない。しかしグラフ中、Microsoftの比率が大きくなっているところからSurfaceがシェアを拡大していることが推測できる。

2015年第1、第2四半期国内タブレット市場ベンダー別シェア 図1 2015年第1、第2四半期国内タブレット市場ベンダー別シェア(出典:IDC Japan)
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