HPE昭島工場では、ここで紹介したようなエントリーサーバやそれ以外の上位サーバ製品の製造以外に「ファクトリーエクスプレス」というサービスが実行されている。ファクトリーエクスプレスとは、受注した同社のサーバ製品に対して、OSをインストールしたりオプションを組み込んだり、サーバ本体をラックに搭載したりといった基本的なサービスから、複雑なサーバ構成のインテグレーションサービス、コンフィギュレーション設定など専門的な設定までをこなすサービスだ。大規模なサーバシステムを発注した企業にとっては、その初期設定は思った以上に負担になるもの。その肩代わりをするサービスということだ。
今回、工場への潜入を果たしたときにも、フロアの一角では某企業へ納入する大規模なサーバシステムの設定が行われていた。ラック数本にギッシリと詰め込まれたブレードサーバ、スイッチ、ストレージなどはモロモロの初期設定がすっかり完了し、動作試験後の納品を待つばかりとなっていた。試験が完了すれば、システムはラックごと納品され、納品先の企業では2営業日もあればすぐにサーバの運用を開始できるということだ。単にサーバを受注して生産するだけではない、HPE昭島工場の神髄を見た気分だ。
終始丁寧な仕事ぶりを見せつけられたこのHPE昭島事業所の工場見学。1台1台丁寧に、魂が込められるような生産現場だった。これだけ丁寧な仕事で、受注から納品まで最短5日というのは素晴らしいのではないだろうか。
われわれが気軽にBTOで注文した製品が、実際のところ1台ずつ生産されていると思えば、オプションを選択する手も震えるというものだ。今後も「Made in Tokyo」を合言葉に、高品質なサーバ製品が作られ続けることを期待したい。
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