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マーケティング支援ツールの導入状況(2015年)/前編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

» 2016年03月24日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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CRM利用の目的に「日本特有」の傾向が現れる

 次に、導入済み企業におけるCRM活用の目的を尋ねた。

 その結果、1位が「顧客(商談)管理」が78.9%と高い比率を示した他、「ほう・れん・そう」を重視する日本企業らしく2位には47.4%で「業務日報としての利用」が上がった(図2-1)。3位は「営業意識の向上」で34.2%と続く一方で、「マーケティング・営業戦略の策定・分析・改善」を狙っての導入は5位で23.7%にとどまった。CRMが備える豊富な機能を、戦略的に使いこなす段階までは至っていない企業が多そうだ。

 一方、今後導入予定の人に同内容を尋ねた結果、1位が「顧客(商談)管理」68.9%、2位が「マーケティング・営業戦略の策定・分析・改善」で60.0%、3位が同率で「営業意識の向上」「業務日報としての利用」で44.4%となり(図2-2)、今後導入を予定する企業では、収集・管理した情報を戦略的にデータ活用しようとしている傾向が見られた。

 また導入済み、導入予定ともに3位に「営業意識の向上」がランクインしており、日々の営業情報を可視化し、状況を確認できる環境にすることで営業担当者の意識向上につなげるといった組織的戦略も垣間見られる結果となった。

CRM導入の目的(導入済み・導入予定) 図2 CRM導入の目的(導入済み・導入予定)

導入・運用コストが決め手、クラウド型CRMの注目が高まる

 さて、既にCRMを導入済みの企業では、どんな形態で導入されているのだろうか。結果は「パッケージソフト」での導入が最も多く44.2%に達し、「自社開発」と「クラウド型」がそれぞれ27.9%と拮抗(きっこう)した。一方、これから導入を検討する企業では、「クラウド型」を導入予定とする企業が66.7%と多数を占めている。その理由として、クラウド型CRMがコストパフォーマンスや使いやすさに優れていることが考えられるだろう。

 また、導入済み、導入検討中の回答者を対象にCRM導入時に重視する点を尋ねたところ、「操作性」や「セキュリティ」といった他の要素を抑えて、「導入・運用コスト」が75.3%、「導入後の運用のしやすさ」が70.4%に上り、多数を占めていた。

 自由回答として寄せられたコメントの中には「クラウド化して運用コストの削減が図れた」と評価する声があった。ただ、「クラウド型はレスポンスが悪い時もあり安定しない」という声もあり、導入する際には留意する必要があるだろう。

 今回は「マーケティング支援ツールの導入状況」として「CRM」を中心に調査結果をまとめた。後編では「アクセス解析ツール」「マーケティングオートメーション」の導入状況について調査結果をまとめていく。

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