「SkyDesk Cards R」は、富士ゼロックスが提供する法人向けの共有型名刺管理ツールだ。大きな特徴は、同社が提供する複合機を使った名刺データの取り込みが可能なところだ。もちろん、その他の名刺管理ツール同様にスマートフォンやドキュメントスキャナーからの取り込みも可能だが、オフィスに設置された複合機のスキャナーを使って複数枚の名刺を一気に取り込める利点は大きい。
またSkyDesk Cards Rは、同社が提供する「SkyDeskサービス」と呼ばれるアプリケーション集合体の一部を占める製品であるということも大きな特徴だ。名刺管理ツールであるSkyDesk Cards Rを導入した企業は、それを入り口として、CRMやSFAやメールマーケティングツール、ビジネス分析ツールや顧客サポートツールを「段階的」に追加していくことで、総合的な顧客管理システムを構築することも可能となる。
SkyDesk Cards Rは、Sansanのように最初から総合的な顧客管理ツールとしての側面を持つ名刺管理ツールとは異なり、ある意味“ピュア”な名刺管理ツールだ。例えばある企業が「名刺管理ツールの導入を検討はしているけど、CRMやSFA、マーケティングに活用するまではまだ……」と考えているようであれば、まずは名刺管理の部分だけを導入し、社内/部内で名刺データを共有していく中で、それ以降のデータ活用手段を検討し、機能を充実していくことが可能となるのだ。
本稿では基本的に名刺データを企業で共有して活用できる名刺管理ツールについて触れているが、スマートフォン時代の象徴ともいえる「完全個人型」の名刺管理ツールも多数登場している。
例えば「Eight」は無償で使えるスマートフォンアプリで、既に100万人が利用しているとされている。Eightでは、一般的な名刺管理ツール同様に名刺を撮影してOCR処理した(人力OCRが使われている)データをクラウドに保存して活用できるが、登録した名刺データをもとにクラウド上でビジネスネットワークが構築される。
自分の名刺をユーザー登録するとその情報はEightのネットワーク上のオンラインプロフィールとなる。そしてリアルで名刺交換した人が自分の名刺をEightに登録すれば、自動的にその関係がひもづけられ、Eight上でつながることができるのだ。メッセージを交換したり、名刺の内容が変更になったりしたときにも自動的にデータが修正される。さらにFacebookなどに登録してある友達の関連情報を参照できるので、今まで一度も名刺交換をしたことがない相手とも、アプリを通じて「デジタル名刺交換」ができるのだ。
法人向けの名刺管理ツールにはない、独特な発展を遂げつつあるのが、個人向けの名刺管理ツールなのである。
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