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企業向け「名刺管理ツール」選定のポイント、どうやって選べばいい?IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年04月06日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]
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 名刺管理ツールと一口に言ってもさまざまな種類がある。それではどういうところを考えて製品やサービスを選択していけばいいのか、そのポイントをまとめていこう。

【ポイント1】利用目的を考える

 まず、名刺管理ツールを使う目的を考える。あくまで“社員個人”が名刺を効率よく整理するために名刺管理ツールを使うのか、はたまた“組織”で名刺を管理して情報を共有し、ビジネスに活用するのか、といった「目的」を明確にする。それによって選択する製品・サービスの方向性が決まる。

【ポイント2】活用する範囲を想定する

 次に名刺データをどのように活用するのか、その範囲を想定する。連絡先を共有するだけでいいのか、顧客管理(CRM)に利用するのか、さらにマーケティングに利用するのかといった“範囲”を想定することよって、必要な機能範囲をカバーしている製品を選んでいくことになる。先ほど紹介した「SkyDesk Cards R」のように、段階的に活用範囲を広げていくような選択もあるだろう。

【ポイント3】価格設定を確認する

 名刺管理ツールの多くはクラウド型サービスであり、他のクラウドサービス同様、月額もしくは年額のアカウント管理での課金となるのがほとんどだ。ただ、1アカウントごとの料金設定があるサービスもあれば、企業向けサービスということで「50アカウントまで○○円」という形式の課金手段をとるサービスもある。後者の場合、アカウント数が多くなるほど1アカウント分の料金が安くなる、という傾向もあり場合によっては割安になる。

 いずれにせよ、サービスメニューと料金形態を十分に確認して予算に合ったサービスを選択することとなる。なお、名刺のデータ化においては人力OCRが活用されることもあり「1枚○○円」というような価格設定が行われていることが多い。その場合、料金が課金内に含まれているのか、別途発生するのかも確認しておく必要があるだろう。

【ポイント4】対応デバイスを確認する

 名刺データを参照するということなら、ほぼ全てのサービスがスマートフォン/タブレットに対応していると考えていいだろう。ただ、名刺のデータ化にあたっては、ドキュメントスキャナーなら多数の名刺を一括で処理でき、スマートフォンでは1枚ずつ処理する……といった違いがある。

 初期導入時点ではたまった名刺を一括処理するニーズが高いと想定できるため、スマートフォンやタブレットのみに頼ることなく、既存のドキュメントスキャナーが利用できるかどうか確認することも選択肢だろう。製品やサービスによっては、契約後に専用のドキュメントスキャナーが貸与されることもある。

 またサービスの多くは、「精度99%」ともいわれている「人力OCR」を活用して名刺のデータ化を行っているが、人力なだけに即データ化されるとは限らない。ある程度の時間は必要でサービスごとにまちまちなので導入前に確認しておくと良いだろう。PCから名刺管理ツールを利用する場合、Webブラウザからクラウドへアクセスするタイプと専用アプリをインストールするタイプがある。前者では気にする必要がほぼないが、後者の場合は対応機種やOSなどを確認しておく必要がある。

【ポイント5】セキュリティを確認する

 前回も触れたが、名刺データは「個人情報」と見なされるため、データ流出が企業的にクリティカルな事態に発展しないとも限らない。クラウドサービスの場合はデータ保持のセキュリティについて入念に確認しておくべきだ。また人的OCRにおいても基本的に名刺データが流出しない仕組みにはなっているが、どのような運用体制でデータ入力がされているのかどうかなども確認しておく必要があるだろう。

 また忘れがちなのは、利用を中止したときの名刺データについてだ。サービスが満了したときクラウド上に保存されていた名刺データが単に破棄されるだけなのか、サービス満了とともに名刺データを返してくれるのかということも、導入前には確認しておく必要があるだろう。

 以上、ここまでビジネスで活用する「名刺管理ツール」について、その選び方を5つに絞って解説してきた。似たような機能を持つ名刺管理ツールでも、製品ごとの特徴やサービスメニューなどに細かな差異がある。ぜひ自社の用途に適したものを選択し、名刺をビジネスに生かしていただきたいと思う。

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