最後に、デスクトップ仮想化を導入済みとした回答者に「導入時に重視したポイント(1〜3位を選択)」について聞いたところ、全体では1位から3位の合計で、「安定性(67.3%)」「導入コストの安さ(51.0%)」「レスポンスの速さ(46.9%)」「管理のしやすさ(35.7%)」「運用コストの安さ(26.5%)」「既存アプリケーションとの親和性(21.4%)」「操作性(21.4%)」「ベンダー・SIerの提案・保守のサポート(14.3%)」の順となった。
この結果を2014年調査と比較してみると、減少したのは、「安定性」(6.1ポイント減)、「操作性」(5.2ポイント減)、「導入コストの安さ」(2.1ポイント減)、「管理のしやすさ」(1.8ポイント減)、「運用コストの安さ」(3.2ポイント減)、「既存アプリケーションとの親和性」(2.0ポイント減)だった。コストや運用管理の効率化を重視する意見はさほど減っていないことが分かる。
一方で導入時に重視するポイントとして増加したのは、「レスポンスの速さ」(4.7ポイント増)、「ベンダー・SIerの提案・保守のサポート」(8.0ポイント増)だった。
これらを総合して考えると、「安定性」「操作性」はそれなりに向上しているが、コスト感や管理の手間にはそれほどの変化がないと考えている回答者が多いようだ。また、「レスポンス」や導入前後の「ベンダー・SIerの提案やサポート」を重視する傾向にあることが分かる。
詳しくは後編で見ていくが、導入済みの回答者のうち、「知りたかった情報」に付帯するフリーコメントで「レスポンス」や「パフォーマンス」を挙げたのは1割強にすぎなかったのに対し、「満足度」に「不満」のある回答者の約8割が「レスポンス」または「パフォーマンス」に言及している。実際、「導入済み」とした回答者に「ベンダー・SIerに期待すること(複数回答)」も聞いているが、約半数が「システム開発・保守に関する技術力」を選んでいることを付け加えておこう。
前編では、「デスクトップ仮想化の導入状況」について、「導入状況の推移(対2014年比較)」「導入目的」「導入時の重視ポイントとその変化」をレポートした。後編では、「現在導入済みのデスクトップ仮想化製品に対する満足度」「導入しない(する予定がない)理由」「導入済みユーザーの課題や悩み、要望など」などについてレポートする。
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