SNSやチャットなどがコミュニケーションツールとしてビジネス現場で利用されるようになった。電話やメールとの違いとは何か?
メッセージングアプリ(またはチャットアプリ)といえば、まず思い浮かぶのがLINEでしょう。2016年3月末には世界全体での月間アクティブユーザー数が2億1870万人を達成し、7月14日にはいよいよ米国でも株式上場を果たしました。
LINEはコンシューマー向けアプリですが、ビジネスの世界でも、企業向けの管理機能、セキュリティ機能などを備えたビジネス向けメッセージングアプリの導入が増えています。今回はこのビジネス向けチャットツールが、他のコミュニケーションツールとどう違うのか、簡単に説明したいと思います。
従来型の電話やメールに加え、最近ではソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やビジネスチャットなども、コミュニケーションツールとしてビジネスの現場で利用されるようになってきました。ではビジネスチャットと電話やメールとの違いとは何でしょうか?
基本的に1対1でしか会話ができない電話に対し、チャットは同時に複数の人間とやりとりができます。またメールは一斉送信という形で複数の人間に情報を伝えることはできても、リアルタイムの意思疎通は望めません。
その点チャットには「グループチャット機能」があるため、複数の人間と同時にチャットすることができます。プロジェクトごとや部門ごとなど、目的に沿ったグループが作成できるので、スムーズかつ迅速な情報共有が可能です。
またチャットの場合、プッシュ通知の機能によって、新たなメッセージが到着したことを即座に相手に知らせることができます。例えばLINEの場合ですが、既読表示がつくので相手がメッセージを読んだかどうかの把握が可能です。ビジネスチャットによっては、「在籍中」「離席中」などのステータス表示ができるものもあります。
それに対しメールは、基本的に返信が来るまで相手に届いたのかどうかすら分かりません(なかには開封を相手に知らせる機能をもつものもあります)。電話の場合も、状況によっては相手と会話ができず、音声メッセージを残す、あるいは電話を取った他の人にかけ直しを依頼しなければなりません。チャットの場合、もしその場でメッセージが読めなくても、文字の形で残るため、あとで情報が確認できます。
ではチャットとSNSの違いは何でしょうか。SNSも情報開示の範囲を設定することは可能ですが、チャットほど細かなグループ分けは難しくなっています。またリアルタイムのやりとりは基本的に想定されていません。
これは米国でのビジネスインサイダーによる調査ですが、図を見ると、2011年第4四半期時点でははるかに多かった上位4つのSNSアプリのアクティブユーザー数が、2015年第1四半期にメッセージングアプリのアクティブユーザー数に追い付かれ、以降急速にその差を広げられているのが分かります。
ビジネスコミュニケーションにおいても、今後チャットツールはさらにその存在感を増していくことでしょう。
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