次に、「職場のPC以外に、スマートフォンなどからオフィス文書にアクセスしたり編集したりすることはあるか。または、したいと感じることはあるか」と聞いてみたところ、「ない」という回答が55.9%を占めた。「アクセスする」「アクセスして編集することがある」を合わせると22.8%、「アクセスできても使いたくない」が17.0%だった。
それぞれの回答者のフリーコメントから、代表的な意見を拾ってみると、「アクセスすることはない」の理由としては、「セキュリティ上禁止されている」「個人のスマホの業務利用は禁止されている」「スマートフォンでは実用性がなく業務には使えない」といったように、そもそもアクセスが許されていない、許されても実用に耐えないのが実態のようだ。
「アクセスすることがある」とした回答者の利用の仕方を見ると、「メール添付文書の閲覧」が中心で、会議中、外出先、出張中などに資料を確認するために利用するという意見がほとんどだった。
「編集や更新を行うこともある」とした回答者のフリーコメントを見てみると、「出張先から自席PCにアクセス」「VPNでアクセスして編集・更新、アップロード・ダウンロードする」「帰りの通勤電車の中で仕事の続きを行う」「外出先で議事録や見積書の修正をする」「プレゼンで喋る内容を通勤時にスマホで編集し、職場で印刷する」「個人用のタブレット端末で各資料のドラフトを作成し、会社のPCでその資料を整形する」といったように、事業継続や在宅勤務というよりは、移動中・出張中の時間を有効活用している様子が推察される内容だった。
逆に「アクセスできても使いたくない」とした回答者の中には、「セキュリティ上の問題」「情報漏えいリスク」といった意見が多く見られた。この他、「どこでも仕事ができてしまうため、終わりがなくなる」「公私を分けたい」「業務時間が不明瞭になる」といった意見や、「在宅業務が増える」「仕事をするのは残業してでも職場に限る。帰宅してまで仕事はしたくない」と、柔軟な働き方に有効とされる環境が、運用次第ではワークライフバランスを崩しかねないことを懸念する声が多く寄せられた。
整理すると、社外からのオフィス文書へのアクセスについては、「打ち合わせや出張、セミナーで外出したときに、オフィス文書を確認したいことがある」や「出先での打ち合わせなどで、スマホやタブレットでプレゼンし、決定事項やメモなどをそのまま編集したい」といった考えを持つ回答者にとっては、ぜひとも実現してほしい機能であると同時に、「業務時間外、とくに自宅に仕事が波及することは避けたい」と考える層が一定の割合で存在する、ということだ。
前編では、「Officeソフトウェアの利用状況」について、主に文書作成、プレゼンテーションなどに使用するソフトウェア、業務上で利用するOfficeソフトウェアの課題の有無、次の買い替えでの希望、職場以外からの利用の意思などついてレポートした。
後編では、実際に利用するソフトウェア、代替ツールがあれば乗り換えたい業務の有無、重視するポイントについてレポートする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。