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格安SIMはビジネスでも使えるのか? MVNO法人プランの今を探るIT導入完全ガイド(1/3 ページ)

「格安SIM」とも呼ばれるMVNOはコンシューマーだけのものじゃない。法人向けで活躍するケースはどのようなものがあるのだろうか。

» 2017年04月17日 10時00分 公開
[宮田健キーマンズネット]

 「格安SIM」とも表現されるMVNO(Mobile Virtual Network Operator)がコンシューマー市場に浸透してきた。3大キャリアと比較し契約料が格安であることが評判の理由だが、ビジネス市場でも利用できないかと思う方も多いだろう。今回は法人向けのMVNOサービスに絞り、企業での活用状況や利用メリットなどについて、そのリアルを紹介する。

MVNOはコンシューマー向けのものだけではない

 既存通信キャリアのインフラを活用し、安価にスマートフォンを利用できる「仮想移動体通信事業者」(Mobile Virtual Network Operator:以下、MVNO)が注目されている。特にコンシューマー向け用途としては従来の2分の1から3分の1程度の料金で利用できることや、データ通信に特化した利用が可能になるなど、メリットが大きいことが普及が進む理由だ。

 では、「格安SIM」とも表現されるMVNOはビジネス用途では利用できないのだろうか。各社のサービスラインアップを見ると、昨今では法人向けのMVNOプランも提供されているため、ビジネス利用の可能性もあると思った方も多いだろう。

 しかし、いざスマートフォンの契約となると、大手キャリアは一度に大口の契約がなされる法人向けに大胆なディスカウント施策を用意していることに加え、端末とセットでの契約で、その後の管理が容易であることなどから選択肢として優位となっている。

 また、法人向けのスマートフォン利用は通話が途切れないなどのクオリティーが求められることも、大手キャリアが優位性を保つ理由の1つだ。これらから、現状ではいわゆる「スマートフォンに使う格安SIM(通話をする場合)」としてはビジネス利用はメリットはあまりないといってよさそうだ。

 しかし、通話を伴わない「モバイル通信」という側面で考えると、MVNOは柔軟、かつ低コストでリモートアクセスや拠点間通信、バックアップ回線としての活用が行えることをご存じだろうか。特に「IoT」の通信においては、魅力的なサービスを提供している。

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