G Suiteの管理機能も侮ってはならない。3、4年前に提供されていたサービスのレベルとは比べものにならないほど進化しているのだ。
例えば、レポート機能では、指定した期間において、Gmailやドライブ、カレンダーといったサービスごとの使用状況や、ユーザーが送受信したメールの監査ログを確認できる。
これらの機能は普段は使う機会が少ないかもしれないが、何か問題が発生した際の状況確認や、ユーザーの利用状況が低いと分かれば、活用促進に向けた対策を行うことが可能である。
また、Googleから発信される仕様変更などの重要なお知らせは通知機能により確認できるようになったため、ある日突然来てツールの仕様が変わっていることに驚き、業務に影響が出るといったことは極力避けられるようになった。
また、G suiteの管理画面はシンプルな画面設計となっているため、設定内容を読み進めるだけで、基本的な設定事項を行うことができるのも特徴だ。
さらに、管理者が最初に進めるべき初期設定はG Suite側でセットアップウィザードを用意しているため、最低限行わなければならない初期設定も簡単に行うことができる。
また、サービスごとの共有設定も、下図のドライブとドキュメントのように非常に分かりやすい表現であるため、ITに対する特別な知識がなくても、重要なセキュリティレベルの設定をすることができる。
数年前にG Suiteの導入を検討したことがある方はG Suiteの従業員(ユーザー)向けトレーニングも課題の1つになっていた場合もあったであろう。筆者も社内外に対して、定着化および活用のためのハンズオントレーニングを数多く実施してきた。
しかし、昨今はGoogleがユーザー向けのコンテンツを用意している。これは「G Suiteラーニングセンター」というもので、ユーザーに各機能の使い方や、便利な活用方法などのTipsを紹介するものだ。直接ユーザーに説明できるハンズオントレーニングの効果は高いが、受講できる人数や時間の制限を考えると、導入時にこのようなコンテンツを活用できる点は大きい。ハンズオンの手を煩わせなくとも社内での利活用がある程度広がっていくだろう。
さらに、Chromeブラウザの拡張機能として提供されている「G Suiteトレーニング」を利用すると、自分が使っている画面を利用しながらさまざまな機能を学ぶことができる。
このG Suiteトレーニングは、ユーザーの目的に合わせて、動画や音声によるガイドと、画面上にポインタ指示が表示されるもので、レッスンを受けながらやりたい操作を完了することができるようになる。ユーザーは知りたい機能を都合の良いタイミングで、また手軽に学ぶことができる上、管理者にとっては問い合わせ窓口として負荷軽減につなげられるだろう。
また最近では、Googleが働き方改革に向けたチェンジマネジメント(変革管理)についてユーザーカンファレンスでセッションを持つなど、G Suiteを利用するユーザー向けに、G Suiteによる業務効率向上を定着するための仕掛けを用意しているので、ぜひ活用いただきたい。
次回はOffice365とG Suiteの意外に知られていない違いについて紹介する。
大川典久
富士ソフトに入社以来、Microsoft製品を扱う部署に所属し、「SharePoint Server」の技術者として多くのプロジェクトに参画。現在はOffice 365をはじめとしたMicrosoftのクラウドサービスを中心にセミナーの企画を手掛け、プレゼンターとして活動している。
脇本 孝太郎
2009年からGoogle Appsビジネスに従事し、営業およびプリセールスとして活躍している。多種多様な業種のGoogle Apps導入プロジェクトに参画してきた。現在は担当領域を広げ、Google Appsだけでなく「Salesforce」など他のサービスを含めた業務改善やワークスタイル変革について、提案やセミナーのプレゼンターとして活躍している。
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