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部長が足かせになる、働き方改革(3/3 ページ)

» 2017年11月17日 10時00分 公開
[溝田萌里キーマンズネット]
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RPAやAIは何かしてくれるに違いない

 同調査では、働き方改革における企業のICT活用状況も調査項目に挙がっている。結果として、ICT活用をしている企業は全体の半数以下である44%という結果が出た。また、積極的に活用していると回答した企業はさらに少数となり全体の8%だった。

 また、活用していると回答した企業が具体的に活用しているデジタルツールとしては、「経理・財務システム」(40.4%)、「グループウェア」(33.2%)、「ビデオ会議システム」(31.1%)などの項目が挙がった。

 「こうしたツールの活用は、働き方改革が叫ばれる以前から企業に浸透しており、変化が見られない。また、社内SNSやタレントマネジメントシステムをはじめとするHRテクノロジーなど、生産性の向上に貢献するようなツールの活用度が低いことも分かり、従業員の間の橋渡しをすることによって、イノベーションを起こすようなICTへの投資が不足している」とキム氏は話す。

図6 企業のICT活用状況 図6 企業のICT活用状況

 しかし、企業のICTに対する期待度は高く、「AIやRPA、IoT、ビッグデータなど最新のテクノロジーが生産性向上に寄与する」と考える企業は全体の76%に上った。「実現が不可能だと思われていた課題に対して、テクノロジーが解決してくれるだろうという期待は大きいようだ」とキム氏は語った。

図7 企業の最新テクノロジーに対する期待度 図7 企業の最新テクノロジーに対する期待度

効率化だけを追い求めるのではなく、成長するためのイノベーションを

 こうした結果を受けキム氏は、「企業が、生産性向上を重要だと自覚している一方で、実際に働き方改革の蓋を開けてみれば、効率化を促進する施策に投資が集中しており、生産性向上による企業の成長を促すような投資ができていない」と指摘。

 企業の競争力を高めるためには、日々の業務効率化だけでなく、企業の成長にアプローチする改革が必要だと強調し、後者へのアプロ―チとして、タレントマネジメントなどを通じ、従業員一人一人が付加価値を生むような仕事に人材を配置することが重要だと締め括った。

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