メディア

LPWAを徹底活用してIoTビジネスを始めるには?IT導入完全ガイド(2/5 ページ)

» 2017年12月18日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

 IoTプラットフォームの利用は自社のIoTシステムを構築する際、サービス開始までのスピードの面でも推奨できる。データを収集するデータ通信サービスだけでなく、クラウドや自社サーバへの連携までをIoTプラットフォームで吸収してくれる事業者であれば、IoTシステム構築の手間が減るだろう。

ソラコムが作るワンストップのIoTネットワーク

 MVNOのソラコムは、IoTデバイスからデータを通信する部分だけを請け負うのではなく、クラウド上にコアネットワークを構築し、各規格のデバイスをソラコムのクラウドに接続した上でユーザーシステムにデータを振り分けるIoTプラットフォーム「SORACOM」を展開している。

 現時点でIoTプラットフォームを使ったサービスは「SORACOM Air for セルラー」「SORACOM Air for LoRaWAN」「SORACOM Air for Sigfox」の3タイプがそろい、それぞれ異なる通信規格に対応している。ソラコムのサービスを例にとり、以下ではこのようなプラットフォームを利用することでユーザーにどのようなメリットがあるのか説明したい。

 1つ目は、コンソール画面でのデバイス管理、各種設定、通信量の監視などの機能が利用できることだ。データを送信するデバイスの数が大量でも、一元的に通信やデバイスを管理できることで工数が大幅に減るだろう。ちなみにSORACOM Air for セルラー、LoRaWAN、 Sigfoxを平行して稼働する場合にも、ソラコムのプラットフォームを介すことで、規格をまたいで統一コンソール内の監視、管理が可能となる。

図1 SORACOM Airの全体イメージ 図1 SORACOM Airの全体イメージ(出典:ソラコム)

 またデータ分析のために各クラウドへデータを連携させる段階で便利な機能もある。例えば、ソラコムのクラウドを介して、ユーザー拠点のサーバやプライベートクラウドなどにデータを連携したり、AWSやAzureなどのパブリッククラウドに連携したりできる。

 データのルーティングや連携に必要なデータ加工は全てソラコム側で処理するため、ユーザーはデータの整形やIoTシステムの構築を意識する必要がない(SORACOM BeamとSORACOM Funnelと呼ばれるソフトウェアによって設定可能)。あるいは、ソラコムのクラウドでデータを一時的に保管し、可視化して分析可能なレポートにできる「SORACOM Harvest」と呼ばれるサービスも追加でき、データ分析の際には利用してもよい。これが2つ目のメリットだ。

 3つ目のメリットは、クラウド上で暗号化などセキュリティの処理を行えること。IoTデバイスは処理性能が低いものも多く、暗号化をはじめとした重い処理をデバイス側で担うのが難しい場合が多い。そこで通信上経由するソラコムのクラウドにその処理を担わせる。デバイスコストを上げずに、通信のセキュア化も図れるのがこうしたプラットフォームを使う利点だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。