LPWAはIoTデバイスからデータを収集するための通信手段として注目を集める。LPWAを活用するためには、どのようにデータをクラウドと連携させ、アプリケーションへと受け渡し、可視化するか。
LPWA(Low Power, Wide Area)は、IoTデバイスからデータを収集するための通信手段として注目を集める。とはいえ、LPWAの通信規格について知見を深めたとしても、IoTをビジネスに利活用するには検討するべき項目が足りていない。
デバイスからデータを収集し、ビジネスに活用するIoTの仕組みの中でLPWAは通信部分を担う一要素であり、その他にも、どのようにデータをクラウドと連携させ、アプリケーションへと受け渡し、可視化するかの検討が必要だ。
今回は、データ通信サービスだけでなく、各種機能を実現するIoTプラットフォームに焦点を当てたい。また、実際にそうした仕組みを使って何ができるのか、事例も紹介する。
IoTビジネスは、デバイスからデータを収集し、最終的にアプリケーションへと渡すまでを貫く仕組み(本稿ではIoTシステムと呼ぶ)が必要だ。まずは、データをデバイスから収集しなければならない。そのためにはデバイスや基地局といった通信機器を設置し、各種設定を行う必要がある。昨今では、オープンな規格や無線局免許が必要な規格を含め、事業者が基地局設置やデバイスの提供を請負、データ通信の部分をまとめてサービス化している。
また、収集したデータをクラウドや自社サーバに連携させ、アプリケーション上で分析できるフォーマットへ整形するという作業もある。この仕組みを自社で整えようとすれば負荷が大きいことは想像に難くない。この仕組みに必要なOS、ミドルウェア、ネットワーク、各種業務アプリケーションへのAPIなどの各要素を、さまざまなユーザーに向けてまとめてパッケージ提供する「IoTプラットフォーム」もIoT活用する上で検討したい選択肢だ。
国内外の多くのベンダーがデータ通信サービスとセットでこのIoTプラットフォームや、それに準ずるサービスを提供する。しかし、詳細を見ればその機能はさまざまで、IoTシステムのレイヤー構造の中の一部領域(ネットワーク領域など)だったり、特定の業種向けの総合パッケージだったりすることもある。
全ての要素を総合的に提供し、かつ多くのパートナー製品やサービスをつなぐハブとして機能するIoTプラットフォームも、数は少ないものの海外を中心に見られる。自社のニーズに最もフィットするプラットフォームやサービスを選ぶにはどうすればよいのか。以下では、用途を分けて各社が提供するIoTプラットフォームやサービスの機能、そしてメリットを紹介する。
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