それでは企業でExcelはどのように活用されているのか。
「Excelの利用用途」を尋ねたところ、1位は「表計算、集計業務(財務会計など)」93.2%、2位「資料作成」81.4%、3位「データ分析、レポーティング」66.9%、4位「帳票作成」58.5%、5位「見積作成」53.1%と続いた。
上位5項目は前回調査時から変わらず、集計業務から資料作成まで依然として幅広い用途で利用されていることが分かる。従業員規模別に見ると、「Microsoft Access」やマクロのような一定のスキルが必要な「データ分析、レポーティング」などの業務は大企業の方が、「見積作成」や「顧客(商談)管理」など一般的な書類作成・管理系の業務などでは中小企業での利用割合が高かった。分析対象となるデータ量や従業員のスキル、代替となるサービス導入の有無などが関係していると予測できる。
次に「Excelに関する課題を有している」かどうか聞いたところ、「課題がある(課題があった)」が63.3%、「課題はない」が36.7%と約6割の企業で課題を抱えている状況が明らかとなった(図3-1)。
具体的な課題内容としては、1位が「マクロにより作成されたシステムが、作成者以外だと改修しづらい」で63.5%、2位が「知識がないとマクロ(開発機能)が使えない」で60.4%、3位「共同編集ができない(リアルタイムに共有できない)」48.2%、4位「データが不慮の事故により壊れることがある」45.7%、5位「バージョンが異なると同じデータの編集がしづらい(互換モードなど)」42.6%と続く。
従業員規模別で見る傾向では、前述したように従業員規模が小さくなるほど「知識がないとマクロ(開発機能)が使えない」といった点を課題に挙げる割合が高かった。3位の「共同編集ができない(リアルタイムに共有できない)」といった課題に対してはOffice Onlineを使って共同作業する解決策が挙げられるが、「Office 365」の導入率が11.6%とそこまで進んでいない現状では難しいだろう。
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