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ディープラーニングを大幅短時間化「MN-1」って何?5分で分かる最新キーワード解説(5/5 ページ)

» 2018年01月24日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]
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ディープラーニング(深層学習)フレームワーク

 ディープラーニングを通して適切なニューラルネットを構成、学習を繰り返して結果を最適化する仕組みを備えたソフトウェア群のこと。著名なものは全部オープンソース製品である。本文中の「Chainer」はPFN、「TensorFlow」はGoogle、「CNTK(Microsoft Cognitive Toolkit)」はマイクロソフトが開発しており、「MXnet」は当初はワシントン大学とカーネギーメロン大学が開発、現在はApacheインキュベータに加わり、AWS(アマゾン)が公式サポートしている。他にもヤフージャパンが支援するBerkeley Vision and Learning Centerが中心となって開発する「Caffe」などがある。

「MN-1」との関連は?

 フレームワークの1つとして世界的に利用されている「Chainer」を、多数のGPUによる分散処理に適合するように拡張した「ChainerMN」を効率的に稼働させることを主眼に構築されたコンピュータシステムが「MN-1」だ。

ImageNet

 ディープラーニングが注目を浴びるきっかけとなった画像認識コンテスト(The ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge:ILSVRC)でも利用されている画像を集めて分類したデータセット(スタンフォード大学が提供)。画像認識性能のベンチマークによく利用されている。

「MN-1」との関連は?

 数年前はImageNetの画像の学習には数日間から数週間がかかっていたが、現在ではディープラーニング技術により本文中に見るように分単位でもかなり実用的な精度での画像認識が可能なレベルに達している。ただし「MN-1」は画像認識に特化したディープラーニングシステムではなく、自然言語認識その他にも応用可能な汎用的なシステムである。

TOP500

 線形代数の数値演算処理「LINPACK」に基づいてスパコンの浮動小数点演算性能を評価するベンチマークプロジェクト。毎年2回、1位から500位までのリストを発表している。ちなみに2017年11月の発表では、1位は中国の「神威・太湖之光 (Sunway TaihuLight)」(4回連続1位))で、CPU 1000万コア以上を用いて約93ペタFlopsの性能。他に消費電力当たりの性能をランキングする「GREEN500」、グラフ(ネットワーク構造)探査性能ベースのベンチマークを行う「Graph500」というランキングもある。

「MN-1」との関連は?

 「MN-1」は2017年11月TOP500リスト中、産業領域で国内1位(世界12位)にランクされた。ただしこれはディープラーニングのワークロードとは違い、参考程度に捉えておくべきだろう。

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