既に紹介したように、Windows 10は半年ごと(毎年3月と9月)の「Feature Update」と呼ばれるアップデートで大幅な機能追加を行う。これを、今までのWindows OSで提供されてきたサービスパックと同等に捉えていると、痛い目に遭うかもしれない。というのは、Feature UpdateはOSの機能そのものの大幅なアップデートを行うものであり、これまでのサービスパックとは比べものにならないほど大掛かりなアップデートになるからだ(セキュリティパッチを中心とした修正プログラムは「Quality Update」として従来通り毎月提供される)。
Feature Updateはアップデートモジュールのサイズが大きいため、ダウンロードには長時間を要し、ネットワーク帯域も圧迫される。またPC上でのアップデート処理も、場合によっては数時間から半日ほどかかる場合もある。デフォルト状態では、このアップデートが半年ごとに自動的に実行される設定になっており、この点を考慮せずWindows 10クライアントを社内で運用していると、ある日突然、社内のPCの動作が一斉に重くなったり、ネットワーク帯域が一気に逼迫したりする事態に陥る危険性がある。無論、業務に与える影響は甚大だ。
それ以上に怖いのが、Feature Updateを適用した後に、業務アプリケーションが正しく動作しなくなるリスクだ。Feature Updateの内容によっては、アプリケーションの挙動が変わってしまう可能性もゼロとはいえない。そのため、理想を言えば半年ごとのアップデートのたびに、アプリケーションの動作検証を一通り行いたいところだが、作業にかかる時間やコストのことを考えると、ほとんどの企業にとって現実的とはいえないだろう。そのため、どうしても何らかの工夫が必要になってくる。
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