第一に考えるべきは、Feature Update適用前に行うテスト項目の範囲を、なるべく絞り込んで効率的に行うことだ。マイクロソフトは、Feature Updateに含まれるアップデートの具体的な内容を公表していないが、サードパーティーから情報を得られる場合もある。
例えば、Windows 10移行の支援サービスを提供している富士ソフトでは、マイクロソフトとの密接な協業体制を通じて得られる技術情報や、自社で行うさまざまな検証作業を通じて得た情報を基に、顧客にFeature Update対応のアドバイスを行っている。こうしたサードパーティーのサービスを利用して、Feature Updateごとに重点的にチェックすべき項目をある程度絞り込むことも可能だ。この「絞り込み」の経験を順次積み重ねていけば、将来的には最低限の動作チェックのみでFeature Updateを毎回軽々と乗り越えられるようになるかもしれない。
次に考えられるのが、「Windows Server Update Services(WSUS)」や「Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)」の機能を使い、Feature Updateを延期、もしくはスキップしてしまうという方法だ。Feature Updateを自動的に走らせるのではなく、WSUSやSCCMを使って管理者が能動的に制御することにより、アプリケーションの動作検証作業が終わるまではアップデートが適用されないようにする、もしくは思い切って適用をスキップしてしまうことも可能だ。
ただし、Windows 10のサポート期間は「Feature Updateがリリースされてから18カ月間」と定められている。これを超えるとセキュリティ更新プログラムが提供されなくなってしまうため、未来永劫Feature Updateを回避し続けるわけにはいかない。ちなみに1回スキップできたとしても、次のFeature Updateがリリースされるまでの間に動作検証を行わなくてはならず、かえって時間に追われることになりかねない。Windows 10への移行に際しては、こうした点を考慮しながら、あらかじめアップデート適用のポリシーを定めておくことが重要だ。
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