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企業におけるIT予算の使い道(2018年)/後編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

» 2018年06月14日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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2018年度IT予算、中小企業では過半数が「クライアント環境の見直し」に投資か

 それでは実際に2018年度のIT予算はどの分野に振り分ける企業が多いのだろうか。IT予算の振り分け先について聞いたところ、「クライアント(PC)環境の見直し(ex.PCのリプレース、OSの移行など)」38.5%、「セキュリティ関連」33.7%、「社内インフラ(サーバ、ストレージ、オンラインストレージなど)」31.4%、「社内インフラ(ネットワーク、ルーター、スイッチなど)」22.5%、「基幹系システム(ERPなど)」17.8%と続いた(図2)。

IT予算が振り向けられる予定の分野(2018年度) 図2 IT予算が振り向けられる予定の分野(2018年度)

 「クライアント(PC)環境の見直し」は全体で4割弱、100人以下の中小企業に至っては53.1%と従業員規模が小さいほど回答割合が高い結果となった。昨今、人材の獲得や生産性の向上、社内外を問わないコミュニケーションの活性化などを目的に「ワークスタイル変革」を促進する企業が増えていることや、Windows 10への移行ニーズなどが背景にあるのかもしれない。一方、前編で「IT予算への課題点や要望」をフリーコメントで聞いたが「本当に、改善が必要な分野に対して投資されていない」「経営層で勝手に予算を決めるのではなく、情報システム部門とも連携してほしい」といった声が挙がるなど、現場と会社の方針に多少のズレが生じているケースもあるようだ。

ユーザー部門IT予算の使い道「PC」「サーバ」「ストレージ」が上位に

 ユーザー部門が独自に持っている2018年度のIT予算についても、予算の振り分け先を聞いてみた。その結果「特になし」を除くと、「デスクトップPC、ノートPC」29.0%、「サーバ」18.9%、「ストレージ関連」16.0%、「タブレット、スマートフォン」「PC用ソフトウェア(パッケージなど)」14.2%と続いた(図3)。

ユーザー部門独自のIT予算が振り向けられる予定の分野(2018年度) 図3 ユーザー部門独自のIT予算が振り向けられる予定の分野(2018年度)

 PCやタブレット、スマートフォンなどクライアント環境の整備にユーザー部門独自のIT予算を振り分ける企業が多いようだ。一方で、セキュリティ関連への投資がフリーコメントでも挙がっていないのがユーザー部門ならではなのかもしれない。IT部門からすると、現場での積極的なIT活用が進めば進むほど、セキュリティ面での考慮や対応工数が増える可能性が高まる。特に気をつけたいのは「シャドーIT」と呼ばれるようにIT部門で把握していないIT利用が知らないうちに企業を危険にさらしてしまうケースであろう。もちろん全てを把握する必要のない場合もあるが、ユーザー部門はこのようなリスクも意識した上でIT活用を促進することが求められていよう。

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