企業がチャットbotを利用するメリットは何だろうか。ポイントは、利用ユーザーのハードルが低いチャットというインタフェースを使うこと、またその応答をbotで自動化する点にある。
周知の通り、チャットには、1対1、1対N、N対Nのコミュニケーションを気軽に実現できる、マルチ端末で利用可能である、といった利用促進につながる特長がある。また応答にbotを利用することで対応の省人化も可能だ。その結果、チャットbotはビジネスにおいて、マーケティングの高度化、顧客対応コスト削減、人材の最適配置、業務効率化といった価値を生み出している。具体的には、以下のようなメリットが挙げられる。
次にチャットbotがマーケティングに使われている例を紹介しよう。例えば、図1の左の画像では、ユーザーの購入履歴を基に、チャットbotが商品をレコメンドする。最近ではユーザーがECサイトへ遷移することなく、チャットの画面上で購入を完了できる仕組みも構築できるため、ユーザーにおける購入のハードルも下がる。結果的に購買率が向上するという。ゴルフメディアを運営する、ゴルフ・ダイジェスト・オンラインではチャットbotを介してコンテンツ、クーポンの配信を行ったところ、30%のコンバージョンレートが得られた。
顧客対応コスト削減の例は、図2のユースケースが分かりやすい。この場合、ユーザーのから頻繁に寄せられる「定期便って何?」といった質問にチャットbotが応答することで人の負担を軽減する。
現在では、問い合わせ対応FAQを行うカスタマーサポートや、商品レコメンド、購買履歴検索を行う接客業務、そしてアンケートおよびキャンペーンなどの販促活動に役立てられる事例が多い。今後の可能性としては、外出先でも使える業務用ツールとして活用が広がるだろう。例えば、製品情報/マニュアル検索、社内情報検索、外部情報検索、業務システムと連携したBI的な目的での利用が想定できる。B to Cビジネスにとどまらず、B to B、In Bでの活用にも大きな期待がかけられているのだ。
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