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見えてきた「5G」の世界、フェーズ1仕様とは?5分で分かる最新キーワード解説(3/4 ページ)

» 2018年07月18日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

「5G」商用化に向けた取り組みの例

 3GPPの標準化ワーキンググループ(TSG-RAN WG1)の議長を務め、標準策定のキーパーソンとなったNTTドコモ 5Gイノベーション推進室の永田 聡氏は「NTTドコモは3GPPへの技術提案を行い、標準化全体をリードしてきた」と振り返る。

 同社は「5G」実現のための取り組みを早期から積極的に行ってきた。その一端は、3GPPにおける活動状況とともに世界の通信関連企業との共同研究や実証実験にも見ることができる。NTTドコモ 5Gイノベーション推進室長の中村武宏氏は、2017年のエリクソンとの共同による世界初の20Gbps超高速無線データ伝送実験、2016年のサムスン電子との共同による150キロのスピードで移動する車での高速無線データ伝送実験、ファーウェイとの共同による最大79.82bps/Hz/Cellの超高周波数利用効率の達成などの実験事例(同社公表済み)、海上でのウインドサーフィンの競技映像を4K画質のパブリックビューに実況中継する試みなど、興味深い取り組みの数々を紹介してくれた。

 また同社は「5G」による新サービス創出を目的に「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を実施しており、「5G」に関する情報と常設の5G技術検証環境を参加企業に向けて提供してもいる。これに参加する企業は現在では1500社を超え、さまざまなアイデアが生まれているところだという。常設の技術検証環境は、現在は東京・四谷の「ドコモ5Gオープンラボ Yotsuya」にあり、大阪・沖縄でも提供が予定されている。パートナーは無料で環境が利用でき、サービス開発を促進することができる。

 一方、ソフトバンクは高層ビルなどが林立する都心部での画像や映像の伝送やコネクテッドカー技術についてパートナーとの共同研究を進めており、KDDIは4.5GHz帯や28GHz帯での「5G」単体実証実験、あるいは5Gと従来の4Gネットワーク間の相互切替を行って端末と基地局間でのデータ通信を継続させる実験などに成功している。今後も各社から、さらにさまざまな実証実験結果が報告されることだろう。

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