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見えてきた「5G」の世界、フェーズ1仕様とは?5分で分かる最新キーワード解説(4/4 ページ)

» 2018年07月18日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]
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「5G」用の新しい周波数帯

 従来のLTE網が利用してきた700MHz/800MHz/900MHz帯、1.5GHz/1.7GHz帯、2GHz/2.1GHz帯、3.5GHz帯ではなく、より帯域幅を広くとれる可能性がある高い周波数帯。日本では3.6〜4.2GHz帯、4.4〜4.9GHz帯、27.5〜29.5GHz帯が有望視されている。

「5G」との関連は?

 IoT端末を含む無線利用端末が急増し、また動画などの大容量コンテンツの送受信ニーズも高まるなか、既存のLTE網に割り当てられた周波数帯だけでは混雑による通信品質低下が避けられない。そこで、まだ利用が進んでおらず、帯域幅がより広くとれる可能性がある3.6GHz帯以上の周波数帯を「5G」のために割り当てようと検討されている。

 30GHz帯(準ミリ波)までが視野に入っているが、さらにそれ以上のミリ波帯も利用可能性がある。ただし、周波数割り当ては国際協調が必要である他、既に他の目的に利用されているため、共用や利用周波数の再編が必要になる。なお、周波数帯が決まっても、どれだけの帯域幅が利用可能となり、それによりどこまで高速、大容量化できるのか、今のところ明確ではない。

Massive MIMO

 これまでよりも多数のアンテナを利用して、一度に多くの情報量の送受信ができるようにする技術。電波を空間多重できるため周波数利用効率が上がる。また多数のアンテナにより電波の向かう方向を絞り込む「ビームフォーミング」技術も進化し、たくさんの端末が狭いエリアにある状況でも、特定の方向に電波を集中させることで干渉を防ぐことができる。

「5G」との関連は?

 「5G」では送受信側ともに数十〜100本以上のアンテナが利用されるようになると想定されている。高速移動体との通信や、多端末の同時接続などさまざまなテーマでの実証実験例が報告されている。

スモールセル

 従来のLTE基地局がカバーしているエリア(マクロセル:半径数百メートルから10キロ程度のエリア)よりも狭い、半径数百メートル以下の通信エリアのこと。

「5G」との関連は?

 電波は周波数が高いほど直進性が高まり、建物や丘陵などにより反射、遮蔽(しゃへい)されやすくなる。高周波数帯を使うNR基地局ではスモールセルを用いて通信品質を高めることが「5G」では想定されている。NR基地局が多数設置され密度が増すと電波干渉により品質が低下するがMassive MIMO技術などを用いて解決可能だ。

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