メディア

「あの案件、どうなったかな」……Javaアプレット、まさかの引退で読者のコメントは噂のIT都市伝説

いつでもどこでも動くと信じていたものが、ある日突然動かなくなるなんて。Javaアプレット案件を担当した世代には感慨深く、若手世代には何のことやらよく分からない瞬間が迫っている。読者のコメントを見てみよう。

» 2018年11月30日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 お世話になったあの「Javaアプレット」がいよいよ終了? それに伴って、日本国内が大混乱に陥っているのだとか。たかが(失礼)Javaアプレットごときで?

 これって本当の話?


キーマンズネット読者の意見は?

本当

  • 自分は使う側なので気にしないが、開発者は大変そうだなあ。(20代・男性)
  • わが社でも一部の部署で大問題になっています。(50代・男性)

ウソ

  • そんな話、ありましたっけ?(30代・女性)
  • Javaアプレットって?(20代・男性)
  • 名前はよく聞くけれど、どこの何なのかはさっぱり……。(30代・女性)

アプレットありきの人生でした

  • 「人生」というのは大げさですが、過去に何件か開発した記憶が。リプレースはどうなっているのだろう?(40代・男性)

まさに担当中の案件だよ!

  • 業界人の常識でしょう?(50代・男性)
  • えっ、本当? 社内で結構重要なシステムがJavaアプレットで絶賛稼働中なのだが……!(40代・男性)

時は移ろうものですよ

  • どんなものにも寿命はある。が、消えてなくなるまでには相当の時間がかかるものだ。(60代・男性)
  • いまだにしぶとく汎用機システムを使っている者からすると「対岸の火事」ですね。……それが良いことなのかどうかは別ですが。(50代・男性)
  • そういえば昔はやりましたね。懐かしい。(50代・男性)

 今回のこのウワサ。「本当」と回答した人は42.0%、「ウソ」と回答した人は9.0%となった。「アプレットありきの人生でした」とした人は2.0%、「まさに担当中の案件だよ!」とした人は3.0%と、何らかの関わりを持っている(いた)と思われる人もわずかではあるがいるようだ。そして最大回答となったのは「時は移ろうものですよ」の44.0%だった。さて真相は……。



 今さらではあるが、「Javaアプレット」とはWebブラウザで実行できるJavaアプリケーションのことだ。いくつかの制限はあるものの、デスクトップ版のJavaとほぼ同等の機能を持っていた。一時期はほぼ全てのWebブラウザがプラグインなどでサポートしていたものだった……。

 そう、“一時期はサポート”と、たった今触れた通り、既にサポートしなくなっているWebブラウザもある。というのも、そもそも提供元であるOracleが、2016年1月27日に各種Webブラウザでのプラグインを「非推奨」にしていたからだ。そして同社はJavaのバージョン9(2017年9月リリース)で非推奨、そしてバージョン11(2019年9月リリース予定)で廃止するとしていた。

 そしていよいよ2019年1月、Javaアプレットを無償サポートしてきたJava 8の無償サポートが終了となる見込みだ。2019年3月以降のアップデートでは、Javaアプレット関連ファイルを削除することも明言されているため、Javaのアップデートともにアプレットが使えなくなっていく。また、代替技術として使われてきた「Java Web Start」も、やはりJava11からは提供されなくなるのだ。

 要は、Javaアプレットについては、もうとっくに非推奨になっていて「使うな!」とされているのが実情なのだ。これを受けて、ほぼ全てのWebブラウザはJavaアプレットをサポートしなくなっている。

 「じゃあ使わなければいいじゃん」という話なのだが、なかなかそうはいかない。というのも、特に政府や自治体の電子サービス関連ではJava 8およびJavaアプレットが使われているのだ。

 実は政府の内閣官房情報通信技術総合戦略室(https://cio.go.jp/)がそれにまつわる技術レポートを公開していたりする。つまりそれほど切羽詰まった状況なのだ。またコメントでも散見されたが、企業においても、一部のシステムでまだJava 8やJavaアプレットが使われていることがあるそうだ。当時はオープンソースソフトウェアで「どこでも動作するよ」といううたい文句を頼りにしていたわけだが……。


 そんなわけで、Java 8をシステムに採用している場合は、早急になんらかの対処を行わなければならない。しかしJava 9からJavaの仕様が大きく変わったため、移行は必ずしも容易ではない。「でも2019年1月までにどうにかしないと!」という悲鳴が多数聞かれるのが現状なのだ。Oracle自体は早めに告知していたのだから、「何を今さら!」と思っているかもしれないが……。

 ということで今回のウワサは「本当」とさせていただこう。Javaアプレットとともに、もう無償で利用できるJavaはなくなる。まさに「時は移ろうもの」なのだ。

 対応に追われている皆さんはなんとか頑張っていただきたいものだ。そういえば、Javaアプレットの終焉とともに、いくつかのサービスが使えなくなったっけな、といまさら思い出す私だ……。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。