いつでもどこでも動くと信じていたものが、ある日突然動かなくなるなんて。Javaアプレット案件を担当した世代には感慨深く、若手世代には何のことやらよく分からない瞬間が迫っている。読者のコメントを見てみよう。
今さらではあるが、「Javaアプレット」とはWebブラウザで実行できるJavaアプリケーションのことだ。いくつかの制限はあるものの、デスクトップ版のJavaとほぼ同等の機能を持っていた。一時期はほぼ全てのWebブラウザがプラグインなどでサポートしていたものだった……。
そう、“一時期はサポート”と、たった今触れた通り、既にサポートしなくなっているWebブラウザもある。というのも、そもそも提供元であるOracleが、2016年1月27日に各種Webブラウザでのプラグインを「非推奨」にしていたからだ。そして同社はJavaのバージョン9(2017年9月リリース)で非推奨、そしてバージョン11(2019年9月リリース予定)で廃止するとしていた。
そしていよいよ2019年1月、Javaアプレットを無償サポートしてきたJava 8の無償サポートが終了となる見込みだ。2019年3月以降のアップデートでは、Javaアプレット関連ファイルを削除することも明言されているため、Javaのアップデートともにアプレットが使えなくなっていく。また、代替技術として使われてきた「Java Web Start」も、やはりJava11からは提供されなくなるのだ。
要は、Javaアプレットについては、もうとっくに非推奨になっていて「使うな!」とされているのが実情なのだ。これを受けて、ほぼ全てのWebブラウザはJavaアプレットをサポートしなくなっている。
「じゃあ使わなければいいじゃん」という話なのだが、なかなかそうはいかない。というのも、特に政府や自治体の電子サービス関連ではJava 8およびJavaアプレットが使われているのだ。
実は政府の内閣官房情報通信技術総合戦略室(https://cio.go.jp/)がそれにまつわる技術レポートを公開していたりする。つまりそれほど切羽詰まった状況なのだ。またコメントでも散見されたが、企業においても、一部のシステムでまだJava 8やJavaアプレットが使われていることがあるそうだ。当時はオープンソースソフトウェアで「どこでも動作するよ」といううたい文句を頼りにしていたわけだが……。
そんなわけで、Java 8をシステムに採用している場合は、早急になんらかの対処を行わなければならない。しかしJava 9からJavaの仕様が大きく変わったため、移行は必ずしも容易ではない。「でも2019年1月までにどうにかしないと!」という悲鳴が多数聞かれるのが現状なのだ。Oracle自体は早めに告知していたのだから、「何を今さら!」と思っているかもしれないが……。
ということで今回のウワサは「本当」とさせていただこう。Javaアプレットとともに、もう無償で利用できるJavaはなくなる。まさに「時は移ろうもの」なのだ。
対応に追われている皆さんはなんとか頑張っていただきたいものだ。そういえば、Javaアプレットの終焉とともに、いくつかのサービスが使えなくなったっけな、といまさら思い出す私だ……。
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