その言動が社員をダメにする
部下が病んでいく職場
部下が1人でやり遂げた仕事も「簡単な内容、できて当たり前」と考える、プライベートのトラブルが原因で仕事に影響を出すとは許せない……。こんな考え方をお持ちではありませんか。
突然ですが、こんな考え方をお持ちではありませんか。
- 部下に的確な業務指示を出したので、後は任せて報告があるまで確認しない
- 何か問題があったら相談してくれればいいや
- 相談がないのはうまくいっている証拠だ
- 部下が1人でやり遂げた仕事も「簡単な内容、できて当たり前」と考える
- 口に出して褒めることはほとんどない
- メールで報告を受けたので、わざわざ口頭で確認しない
- 頻繁に遅刻をする部下、生活態度が緩んでおり腹立たしい
- 体調が優れないと頻繁に年休を取る部下、医者に診てもらっているので特に気にすることはない
- プライベートのトラブルが原因で仕事に影響を出すとは許せない
もし、あなたが職場の管理者で、上記のような考えを持っていたら……。あなたは職場を衰弱させてしまっているかもしれません。
メンタルヘルス不調者に気付くのは誰?
仕事を効率よく進めることばかりを考え、必要最低限のコミュニケーションにとどめたり、部下に仕事を任せっぱなしにしていたりしないでしょうか。
私は、10年以上にわたるコーチング講師の経験を生かしてパナソニック健康保険組合や、管理職向けに行うメンタルヘルス対策の学習教材制作プロジェクト(2008~2014年)に携わってきました。
「職場の管理者にメンタルヘルスの知識はあるが、実際に職場でどのように対応すればよいのか分かっていない」「具体的で適切な行動が取れるようにしたい」という現場の声を反映した教材開発のノウハウを基に、部下へのメンタルヘルス対策の方法について皆さまと共有したいと思います。
部下を持たない人であっても、職場で一緒に仕事をする同僚への対応として参考にしてください。部下や同僚をどれだけ見ているのか、気にかけているのか、そして適切な行動が取れているのかが、部下や同僚、そしてあなたをメンタルヘルス不調から守る大切な手段なのです。
下図をご覧ください。独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った調査では、対象企業5250社(10人以上の従業員がいる民間企業)のうち、およそ6割の企業がメンタル不調者がいると回答しました。そのうちメンタルヘルスの問題が業務パフォーマンスの低下に関係すると回答した企業は86%にも上りました。
複数の部下を従え、部門のミッション達成に向けて最善を尽くすのが管理者の役割ですが、それは部下のやる気を引き出し、組織に一体感を出し、いきいきとした「職場づくり」から達成されるという意識を持つことが重要です。
例えば、冒頭の質問にある「プライベートのトラブルが原因で仕事に影響を出すとは許せない」は、いわゆる昔ながらの「仕事にプライベートを持ち込むな!」と同じ考えです。人の心はロボットのようにスイッチで切り替えられるものではありません。そのように努めようとしていても、不安定な心理は仕事に悪影響を及ぼしてしまいます。
プライベートの問題に管理者がとやかく言う必要はありませんが、彼らが問題を抱えていることを把握し、相談先をアドバイスするなどの配慮が必要です。部下は、プライベートの事情で仕事に迷惑を掛けてはいないかと不安に思っている中で「上司から理解してもらっている」ことを知ることにより、ストレスの軽減ができるからです。
部下がプライベートで問題を抱えているかどうかは、無理に聞き出すものではありませんが、普段の何気ない会話や、行動から察することができるはずです。そのためにもよく部下を観察して、できるだけ声かけをするよう心掛けましょう。
ストレスチェック義務化への対応、それだけでいいの?
2015年12月よりストレスチェックの義務化が始まり、多くの企業でその準備と実施に取り組んでいます。そもそもこの診断の趣旨は「労働者のストレスの程度を把握し、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、職場改善につなげ、働きやすい職場づくりを進めることによって、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること(一次予防)」とされています。
ストレスチェックでできることは、
- 本人への気付き(メンタルヘルスの不調度合いを測る)を促す
- 対策として、希望者へ産業医との面談の機会をもうける
- 職場ごとにストレス傾向を数値化する
であり、このストレス診断後、職場でこれ以上メンタルヘルス不調者を増やさないための取り組みが求められます。
それは、
- メンタル不調者が出た職場の他メンバーへの対応
- メンタルヘルス不調予備軍のサインを見落とさない
- いきいきとした職場づくりへの取り組み
の3点です。
次回は、職場において管理者が部下に対して取るべき対応について紹介します。
本コラムは2016年9月27日に掲載した「部下が病んでいく職場 ~その言動が社員をダメにする~」を再編集したものです。
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その言動が社員をダメにする
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