今となっては当たり前のように使われる無線LAN。最近は、次世代無線LAN規格と言われ最大転送速度9.6Gbpsを実現する「802.11ax」に注目が集まる。その中で企業が利用する無線LAN規格は2018年とどう変わったのか。
キーマンズネットは2019年3月15日〜29日にわたり「無線LANの利用状況に関する調査」を実施した。全回答者数251人のうち「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」41.4%、「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」37.8%、「顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場」14.7%などと続く内訳であった。
今回は「無線LANの導入率」や「満足度」「導入済み・導入検討中の無線LAN規格」「接続するクライアント端末」など、企業における無線LANの導入状況に関する質問を展開した。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
モバイルデバイスの活用やフリーアドレス化、そして最近では旧来型の大仰な会議ではなくハドルミーティングといった会議スタイルを取り入れる組織もあり、無線LANは企業の業務においてますます欠かせない存在となっている。
そこで、まず読者に対して勤務先での無線LANの導入状況を尋ねたところ、「既に導入済みである」とした層が85.7%と8割以上が何らかの無線LANを導入していることが分かった。対して、「導入しておらず、今後も導入の予定はない」と回答した割合は9.2%、「現在は利用していないが、導入を検討中」5.2%と続いた(図1)。
8割以上と大多数が無線LANを必要としている中で、「導入しておらず、今後も導入の予定はない」としたのはなぜか。回答者にその理由を尋ねたところ「セキュリティに不安がある」65.2%、「導入・運用コストがかかる」30.4%、「回線速度に不安がある」「現在の通信環境に満足している」が同率で21.7%、「保守・サポートサービスに不安がある」13.0%と続いた。
無線LANの導入目的では「会議室や打ち合わせスペースでノートPCを持ち込むため」65.8%、「配線の煩雑さを解消するため」50.0%、「柔軟なオフィスレイアウト(フリーアドレスなど)を実現するため」43.0%、「社内でタブレットやスマートフォンを活用するため」40.4%などが上位を占めた(図2)。
2018年に実施した同調査と比較して最も伸び率が高かったのが「社内でタブレットやスマートフォンを活用するため」とした割合であった。2018年は32.6%だったのに対し、今回の調査では40.4%と7.8ポイント増加した。社内の設備や環境を整備することで、従来型の働き方からの脱却を図る企業努力が垣間見えた。
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