ZOZOは初期からクラウドサインを利用する企業の1社。最近では物流拠点でアルバイトを大量採用することが話題になった。同社の物流センターには現在1800人ほどのアルバイトが在籍しているというが、ここに新たに2000人を追加採用する計画だ。物流センターは、出品された商品の採寸や撮影、発送などの業務を担っている。
ZOZOの法務担当、高橋育美氏(経営管理本部 法務部)によると、同社は2年ほど前からクラウドサインを物流拠点の人員などのアルバイト採用に活用してきたという。倉庫スタッフを含めるとかなりの人数のアルバイトスタッフを雇用する状況だが、「クラウドサイン導入前は雇用契約なども全て紙で管理していた」(斉藤氏)という。短期的なアルバイトスタッフを含め、シフトに入るタイミングで適切に書類を回収したり連絡したりといった作業は大変苦労していたそうだ。
同社の場合、クラウドサイン導入のタイミングで、勤務形態ごとの契約内容の類型化などの業務整理も実施している。多様な雇用形態で人材を雇用する際にも煩雑にならず、ツールを介して契約状況をデータで把握できるため、前述のような大量採用が発生しても対応できる体制がバックオフィス側でも整っている状況だ。
現段階では雇用契約でのみクラウドサインを採用している状況だが、今後は全社的に契約の手続きをクラウドサインに置き換える計画だ。具体的にはサイボウズの「kintone」で構築したワークフローシステムとクラウドサインを統合して、契約に関わる業務フロー全般を効率化する計画だ。契約申請の業務フローが別になっている場合、承認されたら印刷して製本して押印申請をする作業が必要だった。これを、クラウドサインのAPI連携を使って、ワークフローの最終承認者が承認したらそのまま「クラウドサインで送る」操作に進めるようになる。
「印鑑を押すのがそもそも面倒くさい! と印鑑管理者が言っておりますので(笑)」(高橋氏)
ユーザーミートアップ会場では、ユーザーを前にクラウドサインの事業戦略説明も行われた。説明にあたったのは、クラウドサイン事業の責任者で、弁護士ドットコム 執行役員クラウドサイン事業部長の橘 大地氏だ。第二東京弁護士会に所属する弁護士でもある。
クラウドサインのサービスリリースは2015年10月19日。それから3年ほどの間に随時機能を強化し続け、現在のクラウドサインの導入企業数は4万2000社を突破したという。特に契約締結件数で見ると「直近3カ月だけで14万件だ」と順調に利用数を伸ばす状況を説明した。橘氏は好調の要因を「契約管理」機能の強化が寄与したと分析する。
クラウドサインは例年秋口をめどにアップデートしてきた。2019年も同様に秋頃をめどに機能の追加を予定しているという。ポイントは契約締結の手段を増やすこと。契約を管理し分析するための手段を提供することにある。それぞれを見ていこう。
従来のメールとWebを使った方法に加えて、SMSを使った契約方法や対面型の契約方法に対応する機能追加を行う。
アルバイト雇用、賃貸契約などのBtoB以外の取引では、「相手のメールアドレスが分からない場合の契約方法」を選択したいというニーズが多いという。そこで電話番号のみで利用できるSMSを使って契約締結ができる仕組みを実装する予定だ。
他にも何らかの店舗の会員登録などで必要になる対面契約に対応すべくiPhone/iPadアプリを開発中だという。開発中のアプリは、単純な手書きサインをデータとして取り込むだけではなく、「手書きサインからOCR(光学的文字認識)で読み込んだ情報をデータベースに登録するところまでの処理を自動化したい」(橘氏)としている。
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