2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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多様化するRPA運用課題と、求められるリアルタイム相談「リモートサポート」の存在――RPAリモートサポートをいち早く導入した日本ワムネットに聞く
RPA BANKが2019年4月に実施した「RPA利用実態アンケート調査レポート」では、RPAの本格展開フェーズに入った企業では、2018年11月に実施した調査と比較して、多様化していることがわかった。
RPAは急速な勢いで導入されているものの、健全な意味での課題も顕在化し、多様化している。RPAを推進されている担当者の方も、悩みや課題に直面し、身近に相談できる存在を求められているケースも少なくないのではないだろうか。
「身近な存在としてリモートサポートへのニーズが顕在化している」と話すのは、RPAの導入支援にとどまらず、導入後のサポートサービスのみのメニューを提供する日本ワムネット株式会社(以下日本ワムネット)。同社ではコスト面で有利なリモートサポートを提供しているが、リモートデスクトップを使用することで、ユーザーのパソコン画面を共有し、エンジニアがその場で解決に導く。
企業やユーザーと直に接する機会が多い同社に、RPA導入前後のさまざまな課題と解決策、そしてリモートサポートの利点について話を聞いた。
目次
1. 大容量ファイルのデータ送受信周りに存在する煩雑な業務の課題
2. 多様化するRPA導入・運用の課題
3. ロボットエラー発生時にも心強い「リモートサポート」
4. 運用に重要なのは、エラー発生時にリアルタイムに寄り添える相談相手が身近にいること
−日本ワムネットがRPAサービスを提供するようになった背景を教えてください。
古谷太郎氏(ソリューション営業部 セールスチーム チームリーダー): 日本ワムネットのルーツは1999年、インターネットのブローバンド黎明(れいめい)期に始めた、大容量データの転送サービスです。
以降も事業の柱となっているのはビジネス向けのデータ共有サービスで、現在提供している2TBまでの大容量ファイルをセキュアかつ高速に転送できる「DIRECT! EXTREME」や、企業間ファイル転送・共有サービス「GigaCC」シリーズに受け継がれています。
お客さまはメディア、エンタメ、建設、製造などの大手企業が多く、大容量化が進む映像ファイルや設計データを頻繁に送受信しています。しかし、弊社サービスで送受信作業の自動化は行える一方で、その前後の作業工程においても自動化や効率化を実現したいという声が多く寄せられておりました。
そのようなニーズにお応えするため新たな機能追加を検討していたところ、RPAに着目。WinActorを自社サービスに最適化して提供すれば、このニーズに対応できると考えました。このような経緯から、2018年にWinActorの導入サポートを新たな主要事業に加えたわけです。
受野和夫氏(取締役 ソリューション営業部長 兼 マーケティング部長): RPAサービスを始めたのには、もうひとつ大きな理由がありました。私たちは行動指針として「きく」「ひねる」「とどける」を掲げ、いわゆるモノ売りではなく、課題解決に導くコンサルティング営業を継続してきました。
そのためには、お客さまの業務をよく理解することが欠かせません。RPAは業務と密接に関係していますから、お客さまへの理解がより深まります。すると既存サービスと組み合わせた提案の幅が広がるため、さらに力になれるだろうと考えました。
−導入サポートを提供する立場上、企業の課題も多くご存じかと思います。
受野氏: RPAの導入に取り組もうとする企業は、みなさん人手不足への対応に苦慮しています。限りある人材で対応するために必要なのが、業務の効率化や単純作業の削減。そこでRPAに期待するのです。
また、属人化の排除も課題です。マニュアルを整備するよりもRPAを導入することで、可視化と自動化を一挙に進めようと考える企業もあります。担当者がいなくなった場合に備えたリスク対策として有効ですし、少ない人数で効率よく業務にあたるためにも必要な取り組みです。
古谷氏: 競合他社の情報をクローリングしてまとめる作業にもRPAが使われていますが、数年前ならアルバイトの方に任せていました。今は、簡単に人が見つかりません。
製造業の品質管理には、必要ではあるが単純でやりたくない業務が存在します。モチベーションが湧きにくくストレスが多い。人の確保が難しい業務なので、RPAで代替する企業は増えています。
−RPA導入において御社に寄せられる相談は、どのようなものですか。
受野氏: 技術面だけでなく推進の依頼も増えていて、導入戦略やキーマンの選定、トレーニング実施など多岐にわたるサポートも提供しています。
そうした多様化するサポート依頼の中でも、業務に精通したメンバーを集めたところ、かえって進まないという課題の相談を受けることが増えています。大手企業に多いのですが、自分の仕事を手放したくない心理が働きます。こういうケースではメンバーへの説得や、社長が声をあげてトップダウンで進めることの必要性をお伝えするようにしています。
それから、ツールを導入する以前の業務整理で時間を割きすぎて、一向に前へ進まない、という相談を受けることも多くあります。
例えば、似たような業務が拠点ごとに実施されている場合。「そもそも集約すべきだ」という話になりがちですが、大きすぎる「そもそも論」をしてしまうと、RPAの話にたどり着きません。
このような場合には、RPAで自動化できることの価値を知ってもらい、体感していただき、そしてスモールスタートから徐々に拡大していくことがRPA定着に重要であることを理解してもらえるよう、ハンズオン研修をご提案しています。
また、増えている相談として、最近ではRPAの導入が進み、導入済みの企業からも相談が寄せられています。
−詳しく教えてください。
古谷氏: 現状のツールに不満があってツールを見直しているというケース。それから、WinActorを導入したもののパートナーのサポートが期待通りでなく、パートナーを変えたいという話もあります。
サポートに関していえば、親会社からライセンスだけを渡されて困っているというもの。グループ企業によくある課題です。
−お話しを伺ってみると、あらゆる面において日本ワムネットのサポート力に期待がかかっているように感じました。どのように応えているのか、特徴があれば教えてください。
受野氏: 導入後に必要となる技術面でのサポートは、基本的にリモートデスクトップ製品を介して行います。リモートのメリットは、オンサイトよりも安価で、場所を選ばずスピーディにサポートを受けられることです。
−しかし、やはり駆けつけてくれたほうが安心できるのではないですか。
受野氏: ロボットが止まって業務が停止したとき求められる安心感とは、すぐ解決に導く「瞬発力」です。オンサイトサポートを依頼して、仮にすぐ対応してくれたとしてもサポート担当者が到着する迄に時間がかかりますし、その場で解決できる担当者がやってくるとは限りません。
エンジニアとつながりやすいとはいえ、電話やメールでの対応にも不安があります。WinActorは現場で使えるのが特徴ということもあり、ユーザーは必ずしもITに明るいわけではありません。電話で状況を伝えようにも、上手く説明するのが難しいことも。
サポートする側としても、的確に状況をつかむのは困難です。病院に行って漠然と「お腹が痛い」と訴えても、医者には手の施しようがありません。患者は一刻も早く治してほしいのに。
リモートデスクトップを使えば、ユーザーが使っている画面をエンジニアと共有することができます。「百聞は一見にしかず」といいますが、エンジニアが症状をダイレクトに確認できるので、その場で迅速に解決できる。このサポート力が喜ばれています。
古谷氏: メールを使ったサポートでは、画面のスクリーンショットを撮って何度もやりとりを繰り返すことになります。解決まで4日かかっていたのが、リモートデスクトップを使うことで30分に短縮できたケースがあります。
−メールとは歴然とした違いがありますね。
古谷氏: そうなんです。このようなサポートは、かなり多くの企業が必要としています。そこで日本ワムネットでは、WinActorを導入した後のリモートサポートのみを提供するサービスメニューを作りました。
−たしかに需要はありそうです。しかしRPAに限らず、あらゆる産業においてサポート体制を構築するのは容易でなく、ビジネスを差別化する決め手になるともいわれます。
古谷氏: そのとおりですが、私たちは20年にわたって自社でソリューションを開発し提供してきたことから、すでにエンジニアが対応するサポート体制を確立できていました。RPAについては、リモート対応なのでオンサイトに比べてサポート可能な件数が多く、経験値を早く蓄積できました。
サービス提供者としては早い段階からリモートサポートを導入していたこともあり、かなりの知見が集まっています。
−そういう背景があったのですか。具体的なサービス内容を教えてください。
受野氏: パソコンの画面を共有しながらシナリオについてアドバイスしたり、修正の相談に応じたりして、その場で解決します。もちろん状況に応じてメールや電話でも対応。トラブルや悩みごとがなくても、WinActorのバージョンアップ情報や、製品マニュアルを理解するために利用することもできます。
こうした内容については、「リモサポプラン」として月額5万円で累計5時間までサポートします。私たちでリモートデスクトップ製品の契約を結んでいるので、お客さまが別途費用を負担する必要はありません。
古谷氏: WinActorは現場主導での導入が盛んですので、決められた特定ユーザーしかサポートを受けられないのでは利便性に欠けます。そこで企業内の誰でも利用できる契約とすることで、本当にリアルタイムで密度の高いサポートを実現しています。IT管理部門が間を取り持つ手間は不要です。
−リモートデスクトップを使うことで、金額も魅力的ですが、目に見えにくいコミュニケーションのコストも削減することができ、しかもスピード感のある解決につながるわけですね。最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。
受野氏: 大きく2つのことを考えています。まず、RPAサービスを始めた動機でもある、大容量転送などの自社ソリューションとRPAを組み合わせた提供を推進していきます。ライセンスだけを売るのではなく、サービスベンダーだからこそ作れるロボを提供します。
また、ご紹介したようにサポートのニーズは強いですから、今後も着実に支援していきたいと考えています。RPAの活用が成功するか否かは、導入後のサポートにかかっています。ひいては人口減少に代表される日本の社会課題に直結する話ですので、リモートサポートを通じて解決に向けた貢献をしたいですね。
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